中森明夫による映画『桐島、部活やめるってよ』解説が他の映画レビューより突き出てる部分とは | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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中森明夫による映画『桐島、部活やめるってよ』解説が他の映画レビューより突き出てる部分とは

『桐島、部活やめるってよ』概要

スクールカーストによるヒエラルキー内で生徒らがそれぞれ影響し合って醸し出す揺らめきや、さざなみのような状況を、その頂点に立つとされる桐島という生徒を巡って具体的にあぶり出した映画。…と、だいたいの人は解釈してる模様だが、中森明夫氏は、
これを別の角度から見てはるww

『桐島、部活やめるってよ』中森氏による解説とは?

中森氏はツィッターで、『桐島、部活やめるってよ』に関して以下のような事をつぶやかれてました。
劇場で、この映画を観た後、若い観客らが「何これ?」「さっぱりわけわかんねーし」とか言ってて…あ〜と思った。…まさに、これが現地レポート・現場の声だったわけですね。

なんか、ジジ&ババの、この映画のレビューを読んだら、さも、「今の高校生って、このようになってんだって!」と、状況把握してるように書いてはりますが、若い観客らはわけわかんないと言ってるのを、ジジババがあっさり理解してるって…嘘やろ?!
さては、ジジ&ババの映画レビューの方々め~知ったかぶりしやがったな!ww

中森氏のツィッターの続きを読んでいくと、
なぜ批評するのがヤボなのか? それはこの映画が批評だからだ。批評を批評するヤボさ、ためらいを感じる。何の批評か? つまり青春映画や学園ドラマに対する批評だ。青春映画を観に行ったのに、その批評を見せられたら、そりゃ「わけわかんねー」でしょう。…そうだったの?!青春映画や学園ドラマに対する批評だったとは、私も映画観たけど、全然気付かなかった。
これがホントだとすると、一貫してスクールカーストによる捻じれた現代の高校生群像と捉えて解説や感想書いてる映画レビューブログって一体…。

中森氏のツィッターの続きを更に見てゆきましょう。
この映画は今や学園ドラマが成立しないと言っている。なぜなら教室の生徒がバラバラだから。体育会系、リア充女子、文化部系…みんなバラバラ。関係が交わらず、統一的な主題が成り立たない。同じ場面の反復がバラバラなそれぞれの視点から描かれる)
中森明夫ってオタクっていう言葉を作った人だけあって、やっぱりボギャブラリーが的確。
それも手伝ってか?仰っている言葉に説得力があるわー。確かに、その通りで、各派閥ごとにバラバラで、こんな人達全員に共通する統一的テーマなんてあるわけない!

桐島4)映画館で遭遇した涼也(神木隆之介)がかすみ(橋本愛)にタランティーノの名前を出す。同一場面の多視点の反復はタランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』…と観客にウィンクしてる。涼也が「今、僕らが出てるこの映画もタランティーノの反復でしょ?」とか言いそうw)
タランティーノですって?!へぇ~そうなんだね。
流石に、オタクの神だけあって、映画を細かくよく観ていて、よく記憶してらっしゃる!
こういう細部まで掴んで解説出来てる映画レビューブログって、なかなかないっしょ?
多様な解釈が出来る映画を観た後で
自分の主観をダラダラ書き散らかして悦に入ってらっしゃる映画レビューブログ読んでも、わけわかんなかったのが、ますます混乱するだけって事ないですか?私はよくあるので、そういうぶざまな記事にだけはならないように、気を付けたいと常々、感じています。

桐島5)この映画をスクールカーストの語で評するのは間違っている。体育会系男子やリア充女子はイケていて映画部のオタ男子はサエない。が、上位下位のカーストの視点で統一的に把握することは不可能だ。同作品をスクールカーストもの、オタ男子を下位と笑う観客を、この映画は笑い返す)
どうやら中森氏は、この映画はスクールカーストだけで語れるような、そんな単純なものじゃないと言われてるようですね。
私も含めて、映画レビュー書いてる人って案外単純な人が多いですからねww
中森氏の深い視点、勉強になります。