2017年10月 西條誌 稿本 | 旅する石鎚信仰者

旅する石鎚信仰者

やはり石鎚山は素晴らしい。

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西條誌稿本

この度、西條誌稿本復刻版を譲り受けたのでここに紹介してみる(^_^)。

この西條誌稿本とは、一般的に「西條誌」と呼ばれ、天保13年 (1842) に5部だけ作製

された愛媛県西条の郷土史研究の基礎的史料であり、石鎚山関連の本にも、西條誌

の内容がそのまま記されてある事が多い

そしてこの西條誌は文章が古い為、絵の部分以外は普通の人は何を書いているのか

さっぱり分らないので、この西條誌を分りやすく注釈(既述の文章や専門用語について

の補足・説明・解説の事)れた注釈西條誌を見るほう分りやすいだろう。

そしてこの注釈西條誌を手にした事をこの日記に記したのも昨日の様に思える

何より、西條誌の原本は全頁ネットで公開されていいるのでそんなに不便ではない。

そして5部作製された西條誌の内1部が愛媛大学図書館に保存され、これを元に原本

まま完全復刻された物が今回紹介する「西條誌稿本復刻版」である ! !

この復刻版は昭和52年12月に500セット限定で発売され当時の価格は2万円、木の箱

られ予約販売、そして申込の順に巻之20最終頁に番号が記され一桁番号

は刊行関係者の方へ贈呈された、と何かの記事で見た事があった。

そしてこの500セット販売された復刻版はネットの古本屋でも売られているのを見る事

はあるが何万円もの価格であり、なかなか手の届かないものである。

しかし自分の性格上どうしても原本が見たくもなる事も今まで度々ありこのように復刻

物がある事を知れば欲しくなるのも自然な事ではないだろうか(^_^)。

そして天の囁きから、今 ! ! この西條誌稿本復刻版全セットが手元にある

それに最終頁の番号は何と「第五番」 これは、刊行関係者へ贈呈されたものであり、

正確には「限定500部の内 贈 第五番」と記され他に当時の西條誌申込票・発刊記念

の新聞記事の写しなどが附属している、何より興味深いのは祝賀会式次第の写しま

附属している事から、この西條誌稿本復刻版発刊にかなり関係した方への贈呈

ある事も分かる。

しかし、よく今までこのような貴重なものすべてが残り、そしてこの番号、更にはこれが

現代の自分の手元によく来たと思うばかりである(^_^)。

内容的には巻之11と巻之12に石鎚山の事が記されていて他の巻はあまり用事は無

のだが、このような特別な物ともなると、これをいかに後世へ残していくか、という事

考えればならず、これも自分の使命であると痛感している。

そしてまず巻之一を開きますと最初の頁にこの復刻版が刊行されるまでの経緯が記

れているのでここに記載してみる。

西條誌復刻版刊行を企画するに当り、まずその原本を調査したところ、初刊本と

して天保十三年に五部作製されていることが分かった。この五部のうち、三部は

東京の松平家関係に渡り、あとの二部が地元に残されて、その一部が式内大社

伊曽乃神社に所蔵されていることが判明した。その時点では最後の一部である

編著者日野和煦所有といわれるものの所在が不明であった。この一部が、我々

の求めている幻の稿本という希望がかかっていたのである。夢にまでみたその一部が奇しくも愛媛大学図書館に所蔵されていることを知ったのはまもなくのこ

とであった。

さっそく御指導を頂いている和田茂樹元教授を介してこの蔵本を復刻し、郷土史

研究の資として利用させて頂くべく申請したところ、ありがたいことに我々の申し

出を認められて、許可を与えられることになった。我が方関係者が大学にお伺い

、該書西條誌を拝見すると、それがなんと我々のかすかな希望でもあった処

の、幻の稿本であることが確認できた。まことに幻が現実としてふって涌いたとい

う事実に遭遇できたのである。この復刻版刊行に就いては、愛媛大学附属図書

館蒲池文雄館長とも御相談の上、原本にちかい形で刊行する態勢をととのえる

ことにした。全二十冊を原本通和綴に就いては、後世に残る良質のものをとい

う配慮から、旧藩領内の東寒川組、今の和紙特産地伊予三島市の青木製紙所

で別漉(す)きを特注した。

何とか素人なりに出来るかぎりの努力を重ねて、今渇望久しかった西條誌の復

刻本が実現することになった。然もこの復刻が稿本を使用できた点、重々目に

えぬ尊い因縁をさえ感じさされるものがあることを強調し、大切にしようとおもっている。
我が郷土の歴史書として、既に一三0年前に刊行されたこの西條誌こそは、郷

土の生きた風土記として、その編纂の正確さを第一に、足でかせぎ、現地で確かめて出来た記述書だけに書類をよせつけないものを持っている。今もその一

一つが身近に生々しく感じられるのは大きな魅力である。

我々はいま郷土史談会の第三周年記念事業の一つとして企画したこの西條誌

稿本復刻版刊行に就いて大方より寄せられた公私の御支援に厚く感謝すると共に、この復刻版がこれからの郷土史研究の為に役立つことを切に希う次第である。西條誌稿本復刻版刊行委員会 会長 真鍋充親

以上のように記され、これも所有している者しか見れない文である、何より最後に記

れている「会長 真鍋充親」この方は石鎚山三十六王子社と深く関係し方であり

昭和46年の石鎚山三十六王子社初回調査時のメンバーの1人でもある。

更に石鎚神社発行の石鎚山旧跡三十六王子社の本にも40頁にわたり執筆され石鎚

神社元老大顧問でもあり、この辺りの事からも石鎚山とは縁の深い方であります。

という事であり既に一通りは目を通し、特に巻之11と12の石鎚山関連のところは読み

つくし、この中から始まった旅はいくつかあった、今回このような貴重なものを所有す

事になり、また違った意味で石鎚山との御縁を感じるものである。

最後に実はこの西條誌は昭和9年にも復刻されていて「はじめて復刻刊行されたのは

昭和9年12月で当時の西条史談会が東京松平家蔵本を借り、縮刷オフセット版、和装

五巻として500部が発行された」と僕の本にある、この「縮刷オフセット版」の意味がよ

分らないが西條誌復刻の情報として最後に写真を載せておく (^_^)。

 

 

 

 

 

 

昭和52年に500部限定発刊された

西條誌稿本復刻版

当時の関係者の喜びが伝わってくるようだ

 

蓋を開けると中には20冊の和冊子

箱の高さ約35cmで見た目よりは小さい

 

蓋には「贈呈」と赤く記されている

この「贈呈」が何番までの物に記されているかは分らないが

小数である事に違いない

 

特に石鎚山の事が記されている「巻之十二」

冊子の大きさは縦26cm横19cm

 

文章は当時のまま、どの頁もこんな感じである

しかし慣れてくればこれが読めるようになる ! !

ここには石鎚蔵王権現は瓶ヶ森にあったと記されている

 

成就社の図である ! !

現在とは大違いで貴重な資料である

絵は当時実際の調査に同行した

絵師、樋之口分庄屋国平の書いたもの

 

石鎚山の鎖が記されている

少し大げさに記されるも当時の様子はうかがえる

 

巻之20最終頁に記される番号

 

この附属資料はそんなに残ってないだろう

 

完全復刻版 ! ! 原本をそのままに再生した努力の結晶なる ! !

全20巻和綴(とじ)木箱入豪華本 ! !

 

当時の新聞の写しである ! !

愛媛新聞・朝日新聞・毎日新聞

NHKニュースで放送されたともある

 

関係者で刊行記念祝賀会も行われたようだ

これが無かったらこんな祝賀会があった事すら分からない

 

昭和9年発行の復刻版を昭和52年発行の復刻版に

重ねてみた、右下はそろえてあるので大きさの違いが分かる

「縮刷」とはこの大きさの違いの事かな?

そして昭和9年の物は4巻が1冊に綴じられ5冊1セットである

 

これは御塔石の頁、中は変わりなし

 

そしてこのような案内紙が附属してある

「やはり石鎚信仰はすばらしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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