2014年7月 第64番札所前神寺奥之院 石鉄蔵王大権現・石中寺 石土蔵王大権現 | 旅する石鎚信仰者

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やはり石鎚山は素晴らしい。

石鎚山お山開き

今日わざわざロープウェイ代に普段の倍額の駐車代を支払い成就社から登った

のには他にも訳がある。

四国霊場64番札所・真言宗石鈇派総本山前神寺、実は明治維新の神仏分離令

で廃寺となりその後石鎚神社が建立されるが、石鎚神社より以前は石鎚山の

別当寺は前神寺神仏習合・修験道の道場として繁栄していたお寺。

そしてこの前神寺の奥之院が成就社にありいつも閉鎖されているが、お山開き

の10日間は下の前神寺にある御本尊・石鉄蔵王大権現3体がこの奥前神寺へ

上がってきて御開帳(見れる)されているのだ ! !

この前神寺の石鉄蔵王大権現をじっくり見てみたい

その理由はここを見れば分かるが少々難しい→ こちら

まぁこんな事に興味がある人もなく、何書いているのか分からんだろうが

要は元々石鎚山山頂にあった蔵王権現(文明9年)ではなかろうかと思っている

のだが、今更調べる手段も無いので自分の目で見てみよう ! !

奥の院に着くと前神寺の修験者のような人が数人にらみを効かしているエリザベス

簡単にじっくり眺めれるような感じでもなく近寄りがたいものがある(>_<)

他には誰も居ないし、そうとう入りにくいが勇気を出して「あにょ~権現さんは

いらっしゃいますか?」すると「こちらにいらっしゃいます ! !」と言われたが

1番奥で前にお供えがあり全然見えない

すると1人の信者の方が現れご祈祷を申し込んでいた、どうも背中に蔵王権現

3体を当ててくれるようだ ! ! 祈祷料は決っていないようで信者の方は小さな袋を

渡していたので数千円入っているよう。

これぞ「またも進退ここに極まれり ! !」仕方なく1円をお賽銭箱に入れ手を合わ

出ようとしたら天の囁きが聞こえた。

一緒にどうぞ、まさしく天の声だ

 しかし頭が畳に付くほどお辞儀して蔵王権現を背中に当ててもらうので何も見え

なかった (>_<) ご祈祷は数分で終わり信者の方は帰っていったがどうしてもあき

らめきれない ! ! 10秒だけでいい、ぐるり1周見たいのだ ! !

更に勇気を出して「権現さんを見る事はできませんか?」

すると 「お座りなさい」

奥にある3体の内、中央の蔵王権現を両手に持ちこちらへ向かってくるのだが

1m前で止まったエリザベス

身を乗り出して見る事5秒 ! ! 「よろしいですか」と言われたのでお辞儀してこの

を去った。

あれはもしかしたらそうかも知れない

できれば手に取り残りの2体も見たかったがこればかりは仕方が無い

今までこの辺りで見てきた蔵王権現とは違う、全体的な形はスリムでシンプル

角が無く銅色(古い10円玉の色)で古来吉野の細身の蔵王権現のようだった。

右手は頭から離れ比較的小さな三鈷杵を横に持ち左手は腰と一体ではっきり

見えなかった挙印で通常と手首から角度が違い親指が体側を向いた感じに

見えたエリザベス

まぁそうそうあの距離で見る事もできないので自分的には満足して16時30分の

ロープで下山、だがまだこの10日間ならではの用事が西之川であるのだ ! !






ここが奥前神寺

年中閉鎖されているが、この10日間のみ開いている


蔵王権現は1番奥に置かれてあり見える位置ではない
もちろん蔵王権現の写真が撮れる
はずも無いが1体だけでも見ることができたので満足

ここでこの10日間のみいただける御朱印
「奉納 石鉄大権現 奥前神寺」

ロープで下山後「石鉄教石鎚山奥之院 石鎚大権現」へ
ここは中に蔵王権現がたくさん置かれてある

前に来た時より蔵王権現が整理されかなり減っていた
一番上のでっかい蔵王権現の左手は刀印 (チョキ)

一番上が現在の石鎚山の御神像
石鎚大神
明治以前の蔵王権現とは違い両足両手は下ろしている

この蔵王権現3体が本来の石鎚蔵王権現の姿である
全てが挙印 (丸) で三鈷杵を持っているのは中央だけである
が ! ! 両端の蔵王権現が左右反対に置かれてある


西之川の1番のお目当てはここである

「石土山根元道場 石中寺別院」
ここは瓶ヶ森の別当寺で今治市のお寺である
この「石土山」とは瓶ヶ森の事で
このお寺には由緒正しき1300年の歴史があり
昔はそうとう大きなお寺だった
ここもこの10日間のみ開いている

ここも追求していくと長くなるが元々石鎚山の石鎚蔵王権現は
瓶ヶ森にあり828年に石鎚山へ移動された
その辺りの事を考えると石鎚山とは切っても切れない縁がある
瓶ヶ森と子持権現山にある蔵王権現はここが管理している

石土宗総本山石中寺
この日は住職が居られ1時間ほど貴重な
お話を伺う事ができた。

中には蔵王権現がいっぱい
最近新しい蔵王権現の金型を造られたそうで
新旧の蔵王権現を見せていただいた

瓶ヶ森も石鎚山も蔵王権現はまったく
同じスタイルであり中央の左手は挙印 (丸)
だが瓶ヶ森の蔵王権現は胎拳 (丸)と表す所もある
ここの蔵王権現は左右が間違いなく置かれている

ここで先生にいただいた御朱印
これは大変貴重なものである

「やはり石鎚山はすばらしい」
 
 

 




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前神寺の石鎚蔵王大権現の背中に文字は無かった → こちら