岡山県真庭市を視察　特産である「木」を最大限活用した地産地商の地域づくり

7/16 真庭市立中央図書館　真庭産の木を燃やし空調を行うバイオマス施設前で

7月16日(土)、前日の兵庫県養父市(やぶし)・朝来市(あさごし)に続いて、岡山県真庭市(まにわし)を視察致しました。

真庭市(太田昇市長)は、岡山県北部、鳥取県境にあり、出雲街道の交通の要衝であり、木材産地であり、平成17(2005)年に真庭郡9町村が合併しました。同市は岡山県最大の面積を持ち、そのほとんどが中山間地域で、人口は4万人です。

【真庭観光局公式】蒜山高原・湯原温泉、真庭の特選観光スポット (maniwa.or.jp)

実は、私が松下政経塾時代の34年前、合併前の真庭郡旧久世町役場に実習したというご縁があります。当時は、中国自動車が開通し、岡山県を縦断する高速道路が整備されようとする中で、地域活性化の方策を探る研修でした。

岡山駅から高速バスで2時間弱、真庭市役所(旧久世町)に到着しました。コロナ感染症が増大する中で、庁舎内では、ワクチン接種が行われていました。太田昇真庭市長に出迎えて頂き、終日市内全域をご案内頂きました。ご多用の中、有難うございました。

真庭市は、太田市長の指導力のもと、地域特性である「木」を最大限に活かした特色ある地域づくりを行っています。

真庭市の取組みを通じて、地方創生には、高速道路という基盤整備、地域の特産品である「木」を最大限活用した産業振興、そして、担い手となる人づくりが重要であると思いました。

若い頃にご縁を頂いた地域に懐かしく思いつつ、少子高齢化人口減少社会の本格的到来の中で、地方創生に向けたその奮闘ぶりに敬意を感じ、今後も支援していきたいと思いました。

◎真庭市の地産地商の各種拠点

・11年前の平成23(2011)年新築された真庭市役所は、真庭市の特産品である「木」をふんだんに使い、自然採光で、木質ペレット・チップ冷暖房・太陽光発電で地産地商エネルギー100％だとのことです。9町村が合併したために、公共施設が多く、その再編とともに、改修に当たっては知恵を使いお金をできるだけかけず、そして、必ず地元の「木」を使うとのことでした。そして、市役所の支所には、役所機能だけでなく、商工会等の関連施設、市民や訪問者が活用できるように図書館や喫茶、多目的ホールが併設される工夫しているとのことでした。

真庭市公式ホームページトップ (maniwa.lg.jp)

・高速道路近接の工業団地の一角に、真庭の特産品である「木」から電気をつくる真庭バイオマス発電株式会社(長尾卓洋事務長)と、燃料となる間伐材や製材所の端材粉砕する拠点「真庭バイオマス集積基地」を視察。同発電所は、市内の全世帯の電気消費量以上の発電をしているとのことでした。各施設を視察できる有料ツアーがあります。

真庭SDGs・バイオマスツアー (biomass-tour-maniwa.jp)

・真庭市の北部、鳥取県境のジャージー牛で有名な蒜山(ひるぜん)高原は、中国地域の一大観光拠点です。ヒルゼン高原センター(石賀幹浩社長)で、昼食を取りつつ真庭の観光について意見交換しました(中原伸介真庭観光局事務局長)。

蒜山高原センター・ジョイフルパーク (hkcenter.co.jp)

・昨年から真庭の象徴として、木の素材を活かした建築で有名な隈研吾氏設計の木の造形物「グリーンナブルヒルゼン」が東京晴海から移転・設置されています。その周辺には、電動自転車の貸出や売店、美術館が併設されています(株式会社グリーンズ高見智総支配人)。

GREENable HIRUZEN - グリーナブルヒルゼン｜自然とつながる、出発点。

ちょうど美術館では、岡山県出身の画家山部泰司展覧会が開催されており、作者のご本人から説明を受けるという栄を頂きました。

第4回展覧会「山部泰司展　光る風景、動く山水　真庭編」｜greenable-hiruzen.co.jp

同高原には、隈研吾建築事務所のテレワーク拠点が置かれることになるとのことです。それに関連して、人口減少で移転統合されて閉校する県立真庭高校久世校地(旧久世高校)跡地に、岡山大学の建築部門を設立しようとしています。

・ダムの直下の露天風呂で有名な湯原温泉。同温泉には、温泉施設内にテレワーク拠点が設置されていました。また、同地区は国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの生息地であり、「はんざき」と呼ばれ、生きたオオサンショウウオを鑑賞できる水族館等を視察しました。多様な方に湯原温泉に来てほしいとキャンプ場が整備され、

【真庭観光局公式】湯原温泉の観光・宿泊・旅館・日帰り入浴！ (maniwa.or.jp)

・勝山地域は、出雲街道の宿場町であり、江戸中期に勝山藩が置かれ、城下町の歴史風情が残っています。武家屋敷、白壁の土蔵、格子窓の商家等、今でも街並みが保存されています。各店には草木染めの暖簾がかかっており、歴史風情をさらに魅力的なものとしていました。旧勝山町役場は、「木」の素材を活かして改修されて、市立中央図書館となっています。太田市長の肝煎りで、真庭市は読書活動に力を入れており、公共図書館の整備とともに、各店にもその店の商品にあわせたミニ図書館をつくっていました。

のれんの町並み「勝山町並み保存地区」｜(okayama-kanko.jp)

・真庭市に本社がある集成材工法でわが国を代表する企業である銘建工業株式会社本社事務所(中島悠仕入部)を訪問。自社製品である集成材を使い、3階建ての吹き抜けで、壁がない本社事務所は、大変働きやすい空間だと思いました。補助金を活用して一坪120万円前後で建造できるとのことでした。

銘建工業株式会社 (meikenkogyo.com)

・国の重要文化財である旧遷喬小学校に隣接した久世エスパルセンターの会議室で、地元の方々と座談会を行いました。34年前の懐かしい顔もあり、私の国政報告とともに、質疑応答、意見交換しました。真庭市内に高等教育機関をつくりたいとの話を聞きました。

真庭市の方々との座談会(久世エスパスセンターで)

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◎原油高・物価高対策

ロシアのウクライナ侵略もあり、企業物価は5月9％増、消費者物価は4月2.5％増となっています。国際的には物価上昇は低いとはいえ、国民に暮らしに影響を与えています。家計負担としてはエネルギーと食料品を中心に、5万から8万円増となっています。

　そこで、政府では以下の政策を順次実施しています。

　物価・賃金・生活総合対策本部｜内閣官房ホームページ (cas.go.jp)

⑴生活の下支え

・子育て世帯臨時特別給付　年収960万円以下0歳から高校3年　1人10万円×1700万人3月末

・住民税非課税世帯臨時特別給付金　1世帯10万円×1300万円世帯4月末

・低所得子育て世帯生活支援特別給付金　児童1人5万円6月末

　以上によって、各世帯平均約5万円の特別収入があり、家計負担増に対応してきました。

⑵物価高対策

　消費者物価高は、主にエネルギー(6割)と生鮮食品(2割)、生鮮食品を除く食料(2割)に起因しており、品目ごとにきめ細やか対応を用意しています。

① 電気代(エネルギー)　前年比21％増　上限設定激変緩和効果のある料金体系、長期契約のLNG調達、地方創生臨時交付金1兆円活用。今後、消費者向けポイント付与制と事業者向け節電買取制度を創設。

② ガソリン(エネルギー)　15.7％増　支援上限を25円から35円とし超過分を2分の1支援する激変緩和事業の実施で約40円抑制で170円前後

③ 都市ガス(エネルギー)　23.7％増　激変緩和効果の料金体系、長期契約LNG調達、地方創生臨時交付金の活用。

④ 灯油(エネルギー)　26.1％増　激変緩和事業の実施。

⑤ たまねぎ(生鮮食品)　98.2％増　肥料原料の調達国多角化、土壌診断による施肥量の適正化、堆肥等の活用推進対策。今後、新たな支援金制度の創設。

⑥ 宿泊料(その他)　6.1％増　県民割支援、7月以降全国旅行支援の実施。

⑦ プロパンガス(エネルギー)　7.9％増　LPガスのタクシー会社に激変緩和事業。

⑧ 食用油(食料)　36.5％増　主要供給国への安定供給働きかけ、原材料コスト抑制の生産方法への支援。

⑨ キャベツ(生鮮食品)　49.0％増　肥料原料の調達国多角化、土壌診断による施肥量の適正化、堆肥等の活用推進。新たな支援金制度の創設。

⑩ まぐろ(生鮮食品)　17.2％増　漁業経営安全網構築事業。

⑬食パン(食料)　8.9％増　輸入小麦から国産小麦等への切替支援、政府売渡価格の維持(前期6.2万円から4月から9月期7.3万円)。10月以降も価格抑制。

※畜産業配合飼料価格高騰対策　令和4年1月から5千円、4月9千円補填

⑶賃上げ対策

肝心の賃上げについて、2％前後とコロナ禍前の水準にようやく戻ってきてはいます。最低賃金について、平成25年764年から令和3年930円となり、全国加重平均1千円を目指しています。今後も、阻害要因となっている労働分配率と生産性の向上に向けて、予算や税、公的価格等の賃上げしやすい環境を整備し、人への投資として3年間で4千億円の包括政策で能力開発とリカレント教育を実施し、若者や女性、高齢者の活用、デジタル化を対応していくことにしています。

⑷地方による支援策

地方公共団体による原油価格・物価高騰等対策として、地方創生臨時交付金も活用して、様々な生活者支援や事業者支援を実施しています。

　https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bukka/dai1/siryou1.pdf　

⑸マイナポイント

また、マイナンバーカード普及によるデジタル化と消費喚起策として、マイナポイント第2弾として、1万5千円相当のポイント付与を6月30日から開始します。

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◎コロナ禍対策

　一昨年来のコロナ禍について、ワクチン接種の2回接種が80.9％、3回目接種が7,887万回62.3％、4回目接種が378万回となっています(7/15)。世代差があり、20代が46.4％、30代が50.1％(7/11)、地域差もあり、沖縄が46.0％、大阪55.4％に止まっています(7/12)。

わが国の新規感染者数は1週間平均で1日約8.2万人(前週平均1日約3.9万人)と急増しています。入院患者数も62万9,238人(＋58,038人)と増加しています。重症患者数も、129人(＋15人)となっています(7/16)。病床使用率が全国平均で25.0％(前週比＋9.8％)で、沖縄で56.6％(+9.3％)、熊本53.3％(18.2％)と5割を超えました。重症病床使用率は、全国平均13.8％(＋5.4％)で、東京39.4％(+13.3％)、沖縄23.3％(＋6.7％)となっています(7/15)。

都道府県の医療提供体制等の状況について｜厚生労働省

人流の増加かとともに、新規感染者数が急増しており、各地の病床使用率と重症病床使用率も増加しています。感染症対策を徹底して社会経済活動を回していく必要があります。

政府与党では、この2年間積極的な財政出動を行ってコロナ禍対策を進めてきました。一昨年令和2年度予算で3回、昨年令和3年度予算で1回の補正を行い、当初予算以外に計109兆円を執行しました。

令和4年度予算107兆円超を成立させ、コロナ禍対策として予備費5兆円を計上しています。

コロナ禍後を見据えて、経済のV字回復を目指しています。令和4度経済成長は名目で3.6％、実質3.2％の見通しであり、完全失業率は2.4％と、政府では近年にない高い経済成長を予測しています。

一昨年来のコロナ禍とともに、ロシアのウクライナ侵略もあり、原油高・物価高となり、経済V字回復に向けて、新規の経済対策が策定され、補正予算を成立させ、順次実施しています。

　原油高・物価高に対する総合緊急対策6.2兆円策定　地方へ1兆円 | 赤池誠章ブログ

引続き感染症対策の徹底を図りつつ、社会経済活動の活発化に向けて、力を尽くしたいと思います。

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◎内閣府副大臣の仕事とは

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強！結果に責任！」をモットーとする内閣府副大臣、参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

内閣府の全体の業務と分担一覧