人権相談と救済ためのチラシ(出所:法務省人権擁護局)

大学、専門学校、高校へ配布

 

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!」をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 

 6月に入りました。西日本は5月に早々と梅雨入りとなり、東日本も今月は梅雨入りとなります。コロナ禍でもあり、体調に十分注意をしたいと思います。

 

 6月1日は「人権擁護委員の日」です。昭和24年のこの日に、人権擁護委員法が施行されたことを記念した日です。人権擁護委員とは、法務大臣が委嘱する無給の民間ボランティアで、我が国独自の制度です。全国に1万4千人近くの方々がおり、法務省の人権擁護担当者とともに、各種人権相談にのり、問題があれば事実確認から救済に当たり、そして、日頃から人権の啓発活動に当たって頂いています。その地道な活動に対して、心より敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 

各種行事に参加するやなせたかし作人KENまもる君と人KENあゆみちゃん

(出所:法務省人権擁護局)

 

昨今のインターネットの急速な普及によって、SNS等の仕組みが一般化することで、差別や偏見の問題がより深刻化してきています。昨年来のコロナ禍という感染症が、心の不安や恐れを助長し、それゆえの他者への差別や偏見が起こすという悪循環が指摘されています。

 

 

 

 法務省人権擁護局によると、昨年、令和2年の人権相談は20万件を超え、人権侵犯事件は10,002件でした。事件の全体数は、前年より5,831件 (▲37.9%) 減少したものの、重大な人権侵犯事件は1,445件と前年より153件の減少に止まり、ほぼ横ばいで推移しています。コロナ禍による人間関係の希薄化で、軽微な人権侵犯は減少しましたが、重大な人権侵犯は変わっていないことが読み取れます。

 

(出所:法務省人権擁護局)

 

ちなみに、その内訳は、①ネット1,693件、②子供1,550件、③女性629件、④高齢者208件、⑤障害者153件、⑥外国人60件、⑦部落244件、⑧性指向・性自認(性同一性)17件、⑨ハンセン病0件となっています。

 

平成12年には人権教育及び人権啓発法が制定されて、毎年年次報告書=人権白書が公表されて、人権状況がより分かるようになり、各種取組みが進んできてはいます。

 

◎10年前の人権擁護法の大論争

 

今から10年以上前の平成19年20年には、人権擁護法という法律を法務省が制定しようとして、自民党内で大論争が起こりました。同法案は、人権擁護委員会という独立性の高い組織に改編して、調査権を与え、調査に協力しない場合は過料に処するという行政罰まで入っていました。人権という定義が曖昧なまま、そのような権限を行使されたら、マスコミの取材や報道、そして、国民の言論の自由はどうなるのかと大問題となりました。

 

私は、当時衆議院議員1年生であり、同志とともに反対の議論を展開しました。故中川昭一先生が政調会長に就任することで、この議論は終止符を打たれ、法律制定の動きは終息しました。

 

その後、人権という包括法ではなく、個別の問題に対処するとして、平成28年には障害者差別解消法、ヘイトスピーチ法 (本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組みの推進に関する法律)、部落差別解消法が施行されました。

 

◎性的指向・性自認理解増進法の経緯と論点

 

 そして、今年になって、性的指向と性自認(性同一性)の理解増進法という議員立法が議論となったのです。

 

 この法案の契機は、稲田朋美衆議院議員が5年前の平成28年政調会長時代に、「性的指向・性自認に関する特命委員会」をつくったことです。そこから議論が始まり、その結果、次のような資料を公表しました。

 

 ・平成28年「性的指向・性同一性(性自認)の多様性って?~自民党の考え方~)

 ・令和元年「性的指向・性同一性(性自認)に関するQ&A (令和元年版)

 ・令和元年「【性的指向・性同一性(性自認)に関するQ&A(令和元年版)付録】

 

 そして、平成29年衆議院総選挙、令和元年参議院議員選挙の自民党公約に、「性的指向・性自認(LGBT)に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法を速やかな策定を実現する」ことを掲げました。

 令和元年参議院選挙公約 (nifcloud.com)

 衆院選_政権公約2017 (nifcloud.com)

 

 そして、今国会で議員立法を制定しようとしたのですが、自民党内で大議論となりました。5月20日(木)と24日(月)の2回6時間近い議論で論点は、集約すると4点あります。

 

第一の論点は、法案の作成と手続についてです。

推進派は、以上のように5年間という活動を経て、与野党で合意をした法案であり、「性的指向」が五輪憲章に入り、東京でオリパラ大会が開催される前に、今国会で速やかなに制定すべきだとの主張でした。

一方、慎重派は、5年間の活動といっても、法文については要綱段階でとまり、所管府省が中々決まらず、ようやく内閣府となって、条文化されたのが5月20日(木)段階では遅すぎる。その結果、関係省庁や団体への調整も十分ではない、そして、所管する内閣委員会には重要法案である重要土地調査規制法がかかっており、国会成立も困難との課題を指摘していました。

 

第二の論点は、当初の自民党案になく、野党の要求で目的と理念に挿入された「差別を許されない認識」という解釈についてです。

推進派は、今回の法案はあくまで理解増進であり、差別解消法ではない、この規定によって、全体の影響はないとの主張でした。

しかしながら、慎重派は、この規定が目的と理念条項に挿入されたことにより、全体に影響を及ぼし、法案を変質させて、差別をめぐって社会的に混乱しかねないと懸念を表明しました。

 

第三の論点は、性的指向・性自認の定義についてです。

推進派は性的指向も性自認についても、法案に定義は明記されていると主張していました。

一方、慎重派は、定義の条項はあるが、それを誰がどのように判断するのかが不明であり、曖昧さが残るというものでした。性同一性障害特例法(平成16年)では、医師二人によって判定されるという客観基準があるのですが、今回の法案にはないからです。

 

以上の「差別を許されない認識」と「性的指向・性自認の定義」の曖昧さから、社会的混乱が広がり、法文の解釈確定は裁判所という司法判断が必要となり、裁判が多発されないかという指摘に繋がりました。

 

第四の論点は、学校教育への影響です。

推進派は「心身の発達に応じて」という条文を挿入してあるので、学校教育は今まで通り、学習指導要領に明記せず、教科書で教えることはせず、個別の相談と指導だけでよいのだと主張しました。

一方、慎重派は、「心身の発達に応じて」の条文が全ての学校教育にかかっておらず、理解増進法という趣旨から、学校で子供たちに、発達段階も考えずに、もっと教えろという圧力が高まるとの懸念を表明していました。

 

 私は、慎重派として一貫して発言しました。

 

自民党内での議論の結果、以上の課題、懸念を払拭するために、最低限国会で審議を行って、議事録に残して、解釈を確定させるべきだという条件付で党内手続きを進めるとなった次第です。

 

 5月27日(木)の政策審議会、28日(金)総務会でも同様の議論になりました。最終的には、党三役(幹事長・政調会長・総務会長)預かりとなり、了承はされていません。

 

性的指向が五輪憲章に入ったことにより、東京オリパラ大会前の今国会で、「性的指向・性自認理解増進法」を議員立法で、与野党合意で、審議なしで、何が何でも成立させようとしたことから、今回のような顛末になったのではないかと感じています。

 

そもそもコロナ禍の中で、今どうしても法案を成立させる必要はあったのでしょうか。

上記に示しましたが、昨年の法務省の人権侵犯事件1万件中17件だけで、性的指向・性自認の理解増進のために、わざわざ個別で議員立法をする理由はあったのでしょうか。

性的指向・性自認も対象とする一般法である人権教育・啓発推進法(平成12年)で十分ではないのでしょうか。

性的指向・性自認をはじめ個別の人権擁護のためには、法務省人権擁護機関を充実強化する方が、個別相談や救済することができて、啓発活動を通じて理解増進に繋がるのではないでしょうか。

以上、考えただけでも十二分の議論の余地があり、引き続き慎重に検討していくべきです。

 

改めて、国家国民全体を考えた上での、性的指向・性自認をはじめとした少数者、社会的弱者の支援を考え、そして議論をしていきたいと、6月1日の人権擁護委員の日に当たり、強く思います。

 

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●赤池ブログから                   

 

5/25「保守団結の会 中共の人権状況とは」

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11/26「保守団結の会ー選択的夫婦別氏制度の是非」

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