悴んで。

松明けて。

デイの日や。

/霜踏んでディに送りし松青々

/FBから報せが届く誕生日アイツぁこの冬七回忌だよ

(FBの不思議なお仕事)

/仏前にポンカンじっと我慢の子

/撥ね洗ふスキー帰りの洗車かな

/みそ椀に手温むる悴んで

/正月や水の冷たさ洗車してホースの先に水の花咲く

/山椒煮レバーをそっと妻は置く

云はずもがなのお湯割りに置く

/楽しみは食事のあとの枯露柿の

二かけ三(み)かけをお湯割りに添ふ

/櫻井某出(い)でてうるさき年初め

TVチャンネル変えてみようか

/矢継ぎ早に打ち出す施策トランプに世界迷惑はた顧みず

/松明けて松の下がりの翠かな

 

倉石智證

2023,2,21吉野友菜「祈り」(富山高校)朝日新聞

 

とまれ鳥たちは電線に留まり人々は真黒な塊りに

どのやうにか信仰が無い人でも

回心か、心は変わってゆくものだ

 

あそこらには大勢の人たちがタチンボしていて

時たまこっちに合図のやうに振り向く

わからないと云ふことでは深い霧の彼方だ

でも時たま霧が晴れて

長い行列が集まったり離散したりする

懐かしい声共々に思い出すのだ

 

ほんの若い時に死んだ人にはその時の顔のままで

その後の顔はない

声紋はひとり一人に在って

すぐに近くぼくの耳の奥にこだまする

手を撃って掌(たなごころ)の声

おいでなさい

 

可笑しいね

つひさっきまでそこにいたのにね

急に用事でも思い出したかのやうに

出掛けて行った

2024,12,30近藤祐「家から出ない」「誰かが来たら静かにして、いないふりをする」

 

「FBから報せが届く誕生日アイツぁこの冬七回忌だよ」

不思議だね。

不在者からメールが届くやうな気分だ。

 

倉石

ブックが届いた。

「私は思い出す(Am’ arcord)」板橋アマルコルドなんだね。

ひょんなことで僕も一時むかし大山に住んでいたよ。アーケードを右に入って行ったところ、ヨーカ堂の裏手に銭湯がある。そのすぐわき近くに3年も住んでいた。ずいぶん映画館巡りもしたなぁ。駅前のスイングがぼくのバイト先。レモンスカッシュのことを気取ってレスカと通に云ってみる。

 

『俳句のような川柳のような』読ませていただきましたよ。板橋から秩父仙人に。冬ざれて今ごろは世間にも自分にもかくれんぼ。少し拗ねて突っぱねて詠まれていらっしゃるのがほほえましくていいと思います。でも暖かい陽気になるとになんともまた「十年後私は春に溶けている」だなんてね、けっこう内心の振幅が大きいわぁ。

 

「軒下に冬の雨だれ駄句百句」。ぼくも排泄物を続けています。またみなで乾杯としませう。ひさしぶりに貴兄の『星めぐりの詩』聴きたくなっった。

お元気で。

 

ともあき