白梅に紅梅に。

林檎の木の剪定修正。

山火事。

minerals。

/東雲(しののめ)の春やはらかく明けにけり

/芽吹きける林檎に和毛にこげかな

/角ぐみぬ牡丹の根方に水を遣り

/ヒタキ来る遊ぶ間もなく畑中へ

/里芋を掘りて藁ずと被せけり

/蕗っポを踏まぬやうにと屈みけり

/紅白に咲いて長寿の家になり

/山茱萸や蠟梅の後従いて来て

/コメディアンの笑ふ間もなく米国へ

一家を掛けてトランプをする

/山火事や天を焦がしてヘリコプター水汲みに行く人の業なり

ゼレンスキー氏命がけ。

陸奥大船渡、そして山梨にも。

黒い土をわしづかみに

待っていたと思うんだけれどどうだい

再起動しなさいと急かされる

バインド線がやがて陽に輝いてキラキラする

近隣近在の人たちがやって来る

サケやマスじゃあるまいしみな同じ川に集まって

やれ、やっぱり終活なのかね

ちょっと早いんじゃないかい

なかには半分やっかみもあって

でもそんなことはどうでもいいんだ

2025,2,15相田豊「愛と孤独のフォルクローレ」

 

みんな玄関では土を落として入ってきてください

土に肥料を入れるころになるとにわかにみんな忙しくなって来て

顔を一堂に寄せ合ってはまた離れてゆく

生きるためにはみんな苦労してゐて

それこそが形式的には散文であり、その本質は詩である。

齟齬行き違いなど当たり前で

誰かが適当な冗談を云って紛らわせなければやっていけない

 

不揃いな言葉達メ

命令が行き届くまで

まず指が何本あるか数えよう

それからがまず朝だ

みんなが折り合って暮らしてゆくためには

いっつも再起動しなければならない

眉を顰める

ハナハトマメ、ハナハトマメ、

みんな立派な大人になるのです。

 

倉石智證

寒波後梅花。

/八つ颪の風にかしづく盆地かな

/リハビリや家居少しも温まらず

/黒檜山寒波来ている気を付けて !

娘はコーチを頼んで赤城山は黒檜山登山に。

/寒くても昭和百年冬一徹

/蒸し饅頭眼鏡外してほほばりぬ

/大寒波家居斜めに歩きをり

/村道を鐘鳴らしゆく火の用心

/桜色にばば気持ちよく転がされ訪問入浴バイタルは良し

/梅一輪武骨ばかりが便りにて

/春燈やきつねの嫁入りありとかや

そして梅花が咲いて一気に春が来たのです。

ひゅっと何かが来てね

ばーさんをさらってゆく

ばーさんの脳ミソはどんどんちぢこまっていって

ばーさんは天井のあらぬところを指さして

あれあれと云ふ

なにかが現われては消えてゆく

ぱーさんは妻のことをたうたう花ちゃんと呼んだりして

ばーさんの脳ミソの辺りぢゅうは春みたいになって

あたたかな陽射しがぽかぽかしています

 

倉石智證