家族会。

中央道は青の芽吹きが。

小仏高尾に桃色山桜が山懐にちらほらと。

釈迦堂に花桃を観に。

/春の闇どこか温(ぬく)くて落ち着かず

/中央道青の芽吹きのチチチチチ

/小仏や高尾に桜花(おうか)ちらほらと

/連翹の黄の門潜り花の園

/幹古りて博物館の桜かな

/惣領の甚六花に間に合はず

/雪柳地に炎(ほむら)たち焔ゆるかな

/草餅も置いて客待つ茶店かな

/勝沼は桃の花待つばかりなる

/花の園思案に暮れる齢かな

/君子闌蝶泊まらせし昔かな

/息災を尋ねて拳タッチする物喰ふ人に雨の花の夜

/猪牙舟や柳あふめる岸辺には昔お江戸の花も咲くらむ

「好きでない風もあらうに柳かな」(詠み人知らず)

/春風や土手の長さに桜かな

/紫木蓮蜜吸い鳥の落ち着かず

/花冷えや薬ばかりのコマーシャル

 

倉石智證

除草機───春の始動。

ば様をショートステイに上京。

ご近所“瘤寺”自證院の桜。

/除草機のダイナモ春の始動する

/霾(つちふ)れりフロントガラスざ~らざら

/蕗ッ葉の勢いづきぬ蕗の薹

/ムスカリや放棄地にある探し物

/雉鳴くやまだ手付かずの畑かな

/苦土石灰まずトリセツを手に取りぬ

/ようやくにキャベツ落ち着くイチキュッパッ

/永福に欅の芽吹き追いかけて

/自證院桜台(うてな)に如来達

/花桃のこれはこれはと門前に

/学童の声が聞こえて桜かな

/ばーさんをショートに置いて上京す頓服半錠念のためとて

 

倉石智證

故郷は桃源郷になりぬるを。

/八つの風孕みて盆地花真っ白

/春愁やティッシュ即ち花の山

/お湯割りやいちご大福食べたいな

/ばーさんに訪問入浴ラッセラー元気若衆爪切り呉れし

/春雨や歯の裏にまで沁みとほる

/梅木の花落つ若葉ほつほつと

/春寒や頭まるめて春の黙(もだ)

/墓の際草萌えあなたどうしてる

さっぱり齢をとらないじゃない

/sns 報せ突然届きぬる同期の桜 桜吹雪くや(3/7逝去)

/故郷は桃源郷となりぬるを春雨のゆくお宮濡らして

/ばーさんの家居巡りぬリハビリの春巡り来る硝子障子に

/放棄地の端の端なる水仙花

/放棄地にたまゆら咲けり水仙花

得した気分そのまゝにする

 

倉石智證