清里サンメドウズ。

冬の背(そびら)、冬の葬送。

青の滴らんばかりの春の空である。清里サンメドウズは八ヶ岳山麓に。見上げれば八ケ岳上空は幾筋もの飛行機雲が交差してゐる。飛行機の通り道なんだね。赤岳、横岳、権現岳の雪壁の白、お空の青い色の対照が鮮やかだ。サンメドウズは明日がクローズの日になる。冬の背(そびら)を追いかけて南アルプスからやって来た。折から武川には一本桜の桃色の雲が身を揺する、釜無川の深い段丘を挟んで清里とは悩ましいところだ。見上げるよりも自分の身体で遊ぶ。まだまだ青春なのさとゲレンデを滑走する。桜の精もいっちまうけれど、冬も背を見せて山の上へと立ち去ろうとしてゐる。庶幾(こいねがわ)くば雪ん子の精よ、来年も遊んでちょうだいね。春の雪は年寄りには難儀なザクザクの斜面になて来た。

けふの成果。武川のワニ桜は明日は天候不順、残念ながら今季は割愛。清里ゲレンデは 8:30 開場。お昼12時までにクワッド22本ノンストップで。ただ残念なことにコブ斜面には一度となく踏み入ることは無かった。齢を取ったと云ふことか。帰路、中央高速で南アルプス市に。ば様のリハビリをルーティンして、3時からば様の訪問入浴。時々刻々である。面と向かったば様には「あれ、ともあきさんずいぶん日に灼けてるね」と云はれた。

 

倉石智證

/冴え返る北の国から雪便り

/気が付けば春の芽吹きのほつほつと

/白梅の花衣脱ぎ、芽青し

/この寒さいっそ雪でもとおもふかな

/芍薬の丈の高さを手尺にて

/午後になり雲の切れ間に雪の富士

/午後になりまだ籠もり居の寒さかな

/ジャガイモの畝に芽掻きの近さかな

/絹さやの鵯に残りし蔓伸ばし

/気が付けばあんなとこにも毛蕊花(もうずいか)

/南天の一夜に枝を伸ばしけり

/襟首に寒さを落とす夕まぐれ

/桃の花紅(くれない)蕊に強くして

/潦(にわたずみ)残して寒き春の雨

/チューリップ蕾のままで気を持たせ

/葱の畝むんずと抜いて台所

/トランプの嘯くtariffバクハツす世界の端の隅っこにまで

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倉石智證

家族会。

中央道は青の芽吹きが。

小仏高尾に桃色山桜が山懐にちらほらと。

釈迦堂に花桃を観に。

/春の闇どこか温(ぬく)くて落ち着かず

/中央道青の芽吹きのチチチチチ

/小仏や高尾に桜花(おうか)ちらほらと

/連翹の黄の門潜り花の園

/幹古りて博物館の桜かな

/惣領の甚六花に間に合はず

/雪柳地に炎(ほむら)たち焔ゆるかな

/草餅も置いて客待つ茶店かな

/勝沼は桃の花待つばかりなる

/花の園思案に暮れる齢かな

/君子闌蝶泊まらせし昔かな

/息災を尋ねて拳タッチする物喰ふ人に雨の花の夜

/猪牙舟や柳あふめる岸辺には昔お江戸の花も咲くらむ

「好きでない風もあらうに柳かな」(詠み人知らず)

/春風や土手の長さに桜かな

/紫木蓮蜜吸い鳥の落ち着かず

/花冷えや薬ばかりのコマーシャル

 

倉石智證