村落のおてんま共同作業、朝の溝浚い。

うから、親戚縁者が来訪、墓参り。

引き続き梯子の人、松芽掻き。

/うから来てみなよく食べ且つ笑ひ牡丹咲く

/よく笑ふ子になりにしか穴惑ひ

みんな死が傍らに在ったりして、よく笑う、

ないしはよく笑ふやうになった。

/牡丹咲く寿司に色付く昼餉かな

/うから来て門に見送る紫木蓮

/松芽掻き手袋の指 穴開けり

/新玉も串揚げにして衣かな

/射干の花花卉に活けたり涼しかり

/ばーさんに頓服なにも合はざりき食事をしても眠くなりにき

/溝浚い鋤簾(じょれん)も出(いで)て花腐し

/門に出てチューリップの花挨拶す

/躑躅咲くほめてあげたき陽気かな

/ほつと咲き後は知らない躑躅咲く

/蕗っ葉のさ緑みどりばーさんの剥けば笑顔ははっぱふみふみ

/一輪のヒルザキツキミ生まれ出で

/青空に林檎追分花咲きぬ

 

倉石智證

 

さやうならチューリップ。

藤房にクマンバチ BUZZZZ。

カボチャの苗床づくり。

/菜花喰ふ我が姻族は青虫族

/藤娘 簪(かざし)に揺れる風誘ふ

/湧いて出てクマンバチにはホバリング

ある朝の午前、

気が付けばクマンバチが庭先にホバリングしてゐる。

BUZZZZ、いったい何処ぞに隠れていたものやら、

去年の今年にまたもや不意に湧いて出た。

蜜だらうか。

花の芳香に誘われて、

しかし究極の目的は分からない。

/争いごとの起こらない宇宙、クマンバチの翅音

/花韮の星の形に咲きにけり

/ポピー、光の粒子マグネシウム

/穴掘りはわたしの仕事旦那さま元肥たっぷり苗待つばかり

/カラス来て阿呆阿呆と競ひ合ふ

/待ち切れず花舗の店先牡丹花

/ハナミズキパぁッと咲いて病院へ

/さやうなら花チューリップ散り初める

/銀杏芽吹くすっかりいてふの形して

 

倉石智證

舞へ舞へ梯子人、

うまく舞ふことが出来たなら

空の仲間になれるだらう。

松芽掻きの周りには鳥語があふれる。

燕の飛翔は空の淡いを感じさせないほどだ。

庭先には蝶も遊びに来て、ふはらふはら。

それらはみんな空と雲との縁戚で、

芽摘みの手を休めるほどもなく、

自分も空を飛べるのではないかと

無心にふっと思ってしまふ。

 

蝶々が近くに来たら気を付けなさいよ。

翠摘みは二日目。

生垣の根方に紫に菫艸が咲いた。

ば様は朝食を完食。

 

倉石智證