精霊馬けふは何処まで行ったやら

/精霊馬茄子と胡瓜の夕まけて

/お灯籠立てて草引くお盆かな

/白百合のお盆御座れと咲き継ぐや

/中元の声懐かしきスマホかな

/イモムーのまるまると葉を喰いつくし

/台風が来る稲穂の躁ぎけり

/ばーさんのねぷた流しや机の子

「机さんいい子、いい子」だって撫でまわす。

ヒダルさに耐え切れずに。

/励まして青田はばばのショートスティ

/ショートステイ青田の中に泛びけり

認知の人らお茶を飲みける

/真剣に桔梗きれいだと思ふ

/桔梗の咲き遅れしを藪の中

/桔梗の百合に遠慮の狭庭かな

/南瓜の兒釣べとられてぶら下がり

/鉄道の旅見るジオラマな朝だ

/蘇る太鼓叩いて汗飛ばす

/真帆くんはいま何処ですか夏の夜

/ラム焼けば羊な匂い部屋の中うからの話とめどなくラム

 

倉石智證

スイカな日々。

お中元出しに。

/ずっしりと大玉西瓜二の腕に

/鎮座してお盆待つわの西瓜かな

/大玉の西瓜家族は三人(みたり)のみ

/お中元の往ったり来たりの百姓家

/軽トラで中元出しにアグリへと

/お盆御座れ百合の花咲く百姓家

/䖝愛ずる姫君あらば戸を叩き葉裏に隠る虫の身あはれ

/雨予報残る西瓜も急き立てて

/身のほどの清楚と云へば百合の花

/ひとすじに百合はうつむくばかり也(加賀千代女)

 

倉石智證

とりわきてあの雲に乗っていきたい

たとへばあの雲にのっていきたいぢゃないか

大人になったら誰だって夢を見たい

雲の形になりたい

自由に浮かびたいぢゃないか

どうしてと聞くこともない

ただ次と浮かび何かの形に変わってゆく姿を見ていると

無性にあくがれ出(いず)る

ただなにがなんでも自由にとりとめもなく

変わってゆくだけだ

それにしたってあの傍らで真っ赤に空が焔ゑている

まかり間違えばオソロシことだ

 

倉石智證