百姓通信。

百姓は何のかのと仕事が湧いてくるのです。朝は飯メに作物、庭木、花に水遣り。ことに里芋は葉が枯れて襤褸を纏ってゐるみたいに葉が萎たれて無慚です。それからよそ様の放棄地を刈り払いして、それから自分の家のよそ様との境界を除草剤を撒く。昨日は夕暮れて少し涼しくなったのを見計らって乗用除草機モアを出動させました。青く茂るよ、もう今までの手押しの除草機ではとても間に合いません。負け戦は転進と申します。モアに乗って颯爽と。でも心は少しも晴れませんね。畑の脇の溝浚い。これもほっ抛っとくわけにはいかない。溝に屈むと目まといがうるさく取り付いてきます。少し先には家の道向かいの老夫婦が畑に。旦那さんは腰を痛めて道に椅子を出して腰を下ろしてます。奥さんは重いタンクを背に、マスクをして激しい勁草に除草剤を撒いています。いろんなところが限界集落。いよいよロシナンテの心境。夕食、妻はとーちゃんの無聊を察してか、缶ビールを一缶追加してくれました。

 

倉石智證

 

盛夏、残暑お見舞い。

/リコピンさん残暑お見舞い申します

/虫の音やことにあすこら辺りかな

/虫の音や三千世界夜をこめて

/玉袋出して虫の音聞く夜かな窓辺に寄りて足投げ出して

風呂上り、涼もうとてすっぽんぽんで椅子を背凭れに窓辺で虫の音を聞く。

まるで王様な気分(笑)。

/蟹さんの形つの出せ夏の雲

/梁に来て休める蝶に夏の無事

/度々に防災無線熱中症

/屁屎葛隣り合わせやマルバルコウ

/なんでおまへ屁屎葛と呼ばれけれ

/葉の襤褸(らんる)日々里芋に水乞われ

/二階家に37℃南吹く

/生協で西瓜叩くや実入り時季

/アキアカネフロントガラスに分かれゆく

/FBで誕生日だよと報せあり米田さんだよ稲の香や知る

詩人の米田さんは去年亡くなられている。

/38℃甲府盆地に水遣るや蝉の声さえ心もとなく

/ペリリュー島滄溟(うみ)あまりにも蒼く澄み

 

倉石智證