夏闌り───
/小龍を連れておいでと夏雲に
/蝉蛻(せんぜい)を踏むを厭わぬことながら
/チチチチチと鳴いて天外へ宙へ
/蟻の列を蚯蚓尺足草叢へ
/百合の花咲くを待つをの頸を出し
/地這えもの胡瓜はさりげなく夜に
/一夜さに地這え胡瓜のさりげなく
/南瓜くん採りて日にちを書き添えぬ
/トンボうの湧き出るほどやお盆前
/枝豆の嬉し畑へいそいそと
/傾り落つ凌霄花(のうぜんかずら)夏闌(たけ)り
/生協にお盆御座れと苧殻(おがら)買い
/花火売り場の前でむずかる子どもかな
/索麺な日々草木(そうもく)もげんなりと
/訪看さん涼を払ひて玄関へ
/この上に隠元の種夏盛
/葉灼けてみなうらめしく空を見る
/はたゝ神音だけをさせ気を持たせ
/黒葡萄に断種万の道標(みちしるべ)
倉石智證


















