あらぬ方を見てゐる

あの人は山から下りてくる

誰にも会わなかったよ、と告げる

2024,8,5Tac.m『山の神』(Art Gallery)

 

足元は山露でぐっしょり濡れていた

クマに遭ったのは確かだった

少し登山道を歩きそして藪の中に消えた

 

山小屋の宿泊はわたし一人だけだった

灯りを点けたものかどうしたものか

 

倉石智證

ホントにお久。

子どもたちはどんどん成育する。

幼稚園だった女の子は高一に。

上のお兄ちゃんは高三。

これは大人たちは呑むっきゃない。

で、乾杯~(笑)。

/ナツズイセン忘れたころに足が無い

ナツズイセンはごらんのように足元に葉っぱが無い。

或る日気が付いたらにょっほりと顔を出してゐる。

彼岸花と同じだね。

幽霊花。

これから花が咲く。

/どこやらにゴーヤ剽ゲルばかりなる

/南瓜採って日付を蔕(へた)に書き込みぬ

/向日葵のゆらり富久東美下

東洋美術学校の坂下に奇特な方が向日葵を植えてくださった。

/乾杯だ ! 外表から来て汗一斗

/みんな大きくなって水遊び忘れしも

/中元の行き交うお店午後八時

/富久町監視塔には夏の雲

/百日草一輪差してご先祖様

山梨から、妻が庭先の百日草を一輪持たせてくれた。

/榛花ゆく会心一投遥かなりブッチギリなり鐘鳴らすなり

北口榛花、金メダリストのみが鳴らせる場内の鐘。

17日ばかりのパリオリンピックも閉会に。

「ひとすじに百合はうつむくばかりなり」(加賀千代女)

白百合のぱつんぱつん

おぞましきは去れ

腐りゆくものも

清らに朝まだきに

夢からおきてまだ夢見ごちに

どおして、と云ふ

問う勿れ

忘れていたころに

家居の端にひっそりと

また一年が経ちましたね

わたしはどうと云ふことも無しにですが

あなたはお変わりなくお元気ですか

白百合が咲きました

妻は仏壇に供花する

 

倉石智證