/秋明菊の残菊となる焦るなよ

/道にまで溢れて人に金木犀

/はぐれ来てトンボの杭の目玉かな

/めざましや花芽は皇帝ダリアかな

/俎板にお色直しも紅はるかさつまであればなほの愛嬌

/長ネギを抜いて白さを測りけり

/三方にロープを張るわ松手入れ

/定番はお饅頭なり松手入れ

/ばーさんに唱歌は小春日和かな

/夕さりて唱歌唄へば秋寂し

ばーさんは知っているよ高い処は嬉しいところだと。

ばーさんは知っているよ、高い処はさみしいところだと。

ばーさんはついにおうどん丼を離さなかった。

ばーさんはまどろむ処はいいところだと知ってゐる。

 

倉石智證

去年より三日遅れて松手入れ開始。

秋明菊は末期のひと盛り。

皇帝ダリアは花芽を付け始めた。

/そろそろと里に降り来る紅葉かな

/欹(そばだ)てる金木犀の世間かな

庭の植栽の金木犀が満開になった。

塀を越えて表の道路に。

/松手入れ梯子上りて金木犀

/秋茄子やつくづくと色秋深し

/就中(なかんずく)松の手入れの今年また

/野分めくササラホウサラて云ふ言葉

/畝立てて絹さやの種播きにけり

/今生は最期とばかりオクラの木

/モロヘイヤも呆けてついに剪られけり

/見ぬふりをしてゴーヤーの爆裂す

/柿熟す研ぎし鋏を置いてみる

/草虱(くさじらみ)へっついにまで従いて来し

/掻い巻きや夜寒は妻の温かな

/秋深し厨を満たす色のモノ

 

倉石智證

/色落ちぬ葡萄に朝の寒さかな

/凧一点茜の空に暮れ惑う

/稲雀ヒコバエの間まろびつつ

/ばーさんにあんよは上手小春かな

/秋灯や隣りはなにをする人ぞ

/肉啖ふ糖質ゼロの秋の宵

/初物の収穫嬉し一輪車

/飾り包丁入れてカレイを焼き焦がす

/焼く、揚げる、鰈冥利や迷い箸

/箭折れて玉尽き茗荷畑には用無き後の冷(すさ)まじきかな

/糸蜻蛉かぼそきまでのホバリング

/紋白蝶その畝越えて紋黄蝶

/PEACE PRIZE アトムズピース今さらに核弄ぶ人あらなくに10/11

2016,5,27オバマ大統領ヒロシマ

「私たちは戦争の激しい苦しみを体験してきた。

ともに平和を広め、『核兵器なき世界』を追求する勇気を持ちたい」

 

倉石智證