眠る人で

ありたい

眠らない

木のごとく眠れない人もいて

目覚めてきっと遠くの宙を見てゐる

あんな遠くまで

柘榴の木が黄ばんで、小鳥来

樹間を楽し気に飛び回り

黄落がはらはらと

ばーさんは縁先で両手を拡げて

うっすらと目を瞑り

一心に時に委ねて

時の岸辺にさざ波が打ち寄せ

両肩に眼に見えないモノが降り積もり

降り積もりしてさんさんと

陽と時がばーさんを包み込む

眠らない、眠れない人よりも

眠れる人がいいな

木の形に黄落が降り続いている

小鳥はひとしきり

そして

樹間から遊び出て

青空へと帰っていった

おそろしい傾眠と云ふ重力。

ヒダルさが全身に取り付いて目蓋さへもひたすら重たくなる。

欠伸ほどのつまらなさ、

そして目の端に涙をにじませ、

そして世界が平和でありますやうにとばーさんは祈ってゐる。

 

倉石智證

百目柿の硫黄燻蒸。

さすが師匠義兄の高梯子。

トランプcabinet 。

三笠宮百合子さま薨去(101歳)。

/柿簾すだれて空の定まりぬ

/隠(こも)り居を出でて背に散る紅葉かな

/畑中や屈(こご)み女に反(そ)り男

/蟷螂の鎌フル畑に反り漢

/門柱に遅れて咲きぬ黄菊かな

/cabinet 何でもありやつみれ汁

/出るわ出るわ畑仕舞へば畑の芥

/剪定や世間話をひとしきり

/ひとしきり寒さは葱の雫かな

/秋茄子もつひに冥加と了はりぬる

/巨峰さま老樹閑に散る紅葉

/義兄(にいさん)はけふヒーローだぜ宙人(そらびと)に

剪定鋏梯子ロープに

/燻蒸(くんじょう)する硫黄の烟百目柿

剥かれ吊るされしずおとなしく

/ノーブルのありがたきかな菊の花

菊ならず百合子さま薨去。101歳、老衰。

合掌である。

 

倉石智證

妻、わたくし、息子で定期健診。

ショートステイにコロナ発生。

ば様も連れて上京です。

大冒険 !

帰郷後百目柿の収穫。

例年のごと、柿菟現れる。

/検診や月天心に送られて

/山茶花の小春に似合ふ垣根かな

/柿菟宙で知らせる百目時季

/釈迦堂や紅葉は縄文人も見し

/子に還る子供番組生身魂児ら踊り出す眼がきらきらす

/いてふ散る児は銀杏を知らずなり

(大人は銀杏に走るが)

/石鎚も余さずて云ふ茸汁

/雪は無し秋の霞やただの富士

/秋寂し寡男(やもお)に二日酔いの朝

/なるい秋紅葉は落ちず中央道

/日溜まりやうつらと命の細い糸

/検診や絶食をして薬喰

/検診やデリに駆け込む食の秋

/柿喰へば病知らずと云ふことも

息子はうれしいと呑み過ぎです。

翌朝二日酔いに。