なんだかひょいとね
ひょいと宙に手を伸ばす
なにか摘まむのかな
つらまへやうとして
蝶なのか、虫なのか
得意の文字なのかもしれない
ひょいとね
なにげなく
それでよく蹴躓かないものだ
ものが除けて通る
正面にあるものばかりでなく
つい脇にあるもの
上にあるものばかりでなくほら足元に咲いてゐるものとか
色とか匂いとかそんなものが気になる
ひょいとね
空から特段の果物でも採るやうに
歩きながら
あんまりにも自由な
とっても定型な歩き方ではないから
誰も従いていけない
大~きな野原あって今とって来たものを並べる
ひろ~い白い紙の上に文字が並んだ
あの人の場合はね
それを詩と云ふんだ
あの人にとって当たり前なんだらうけれど
不思議だね
倉石智證




















