みなさま、こんばんは!
思春期専門カウンセラーの飯塚ひろみです
今回は「思春期っていつまで?!20歳を越えてからの反抗期事例 ②」のお話です
さて、前回は23歳位社会人女性の「大人の反抗期」についての事例を紹介させていただき
大人の反抗期は
・自分が大人であること
・社会人であること
・反抗している自分自身がおかしいと気づいていること
・周りに相談しようとしても、否定的な意見を言われてしまうこと
であるがゆえに、自分自身を責め、嫌いになってしまう場合がある
というお話でしたね。
自分が大人であることを理解していても、止めることができない…反抗期とは、自分の感情のコントロールをすることが難しく、無理やり制御しようとすればするほど深みにハマってしまうので、適切な対応が必要です
では、どうやって大人の反抗期を乗り越えたのでしょうか?
具体例をお話ししていきますね!
ご相談いただいたお母さんに間に入ってもらい、娘さんとお父さんの懸け橋となっていただきました
接し方のポイントとしては
・絶対にお嬢さんの言動に反射(感情を感情で返すこと)をしないこと
・共感的に話を聞くこと
・反抗期は決して悪いことではなく、心が大人になるための「成長の証」であるということを、しっかりとお母さんが伝えること(そのことをお父さんも同じように思っているということも併せて伝えること)
・お父さんには、無視をされても挨拶だけは絶対にしてもらい、後は見守ってもらうこと(声掛けを全くしなくなると、見放されたと思ってしまい、ますます不安定な状態になってしまう場合がある)
・お母さんは、焦らず時間をかけて、お父さんが娘さんのことを気にかけていることを伝えること(間接的に聞くことで、相手の気持ちを理解することができる)
をご提案させていただきました
お父さんも協力体制に入っていただくことができたので、スムーズに取り組むことができました
始めはお父さんのことは無視、お母さんが話しかけても一言だけ話して素通りだった娘さんも、お母さんの
・今日は仕事どうだったの?
・ちょっと疲れているんじゃない?
・無理していない?
・毎日、良く頑張っているわね
・何かあったらいつでも言ってね
の声掛けに、少しずつ心を開いてくるようになりました
そして、一か月が過ぎるころ、娘さんのほうからお母さんに少しずつ悩みを打ち明けてくれるようになってきました
・仕事で頑張っていること・悩んでいること・不安なこと
・やりたいこと(夢)があるということ
・お父さんに酷いことをしている自分が嫌だということ
・学生時代仲が良かった友達が地方に就職して離れてしまい、なかなか会えなくて寂しい思いをしていること
・本当はお父さんと昔のように仲良くしたいこと、きちんと謝りたいこと
娘さんは本当はとても素直で優しい心を持っており、様々な環境の変化に心が付いていけず、このような形で現れただけだったんですね
それを、最初は反抗期で戸惑っていたお父さん、お母さんは十分に知ることができ、自立と成長を実感しながら、なんとか乗り越えようと、懸命に努力してくださいました
親だからこそできる無償の愛の形ですね
そして、2か月を過ぎたころ、一つの転換期が訪れました
娘さんが
お母さん、私、お父さんと話がしたい
と言ってきたのです
この言葉はとても素晴らしいものなのですが、これまでの経緯と距離がありますので、性急にことを進めてはいけません
お母さんとしては、「すぐにでも話しかけてきなさい!大丈夫だから!」と言いたくなってしまいますが、ここはグッと我慢です
焦っては、これまで積み上げてきた対応すべてが無駄になってしまう場合がありますからね
ここで、お母さんにお父さん、娘さんの共通点をお聞きしました
お二人が好きなものは何ですか?出来れば食べ物やテレビ番組など、身近なものが良いです
とお聞きすると
二人ともコーヒーが大好きで、毎朝豆から挽いて煎れているんです
とご回答いただきました
なんでも、娘さんのコーヒー好きはお父さんの影響なのだそうです
そのお話を聞いて、毎日日課のようにコーヒーを煎れているお父さんの姿を想像させていただきました
とても微笑ましく、柔らかな空気が流れているこの時間を、娘さんがお父さんと話す最初の一歩とすることにしました
お母さんとご相談の結果、娘さんに
お父さん、私にもコーヒー煎れてくれないかな?
と言っていただくこととなり、娘さんにも「それなら言えそう」と、了承もしていただいたのですが、もちろん、すぐにできなくても良いことも伝えました
話しかけたいと思う前向きな気持ちを大切に、急激にモチベーションは上げず、少しずつ少しずつじんわりとその場の雰囲気に溶け込むようなイメージを持ってもらい、自分の好きなタイミングで実行して良い、無理はしなくて良いことを繰り返しお伝えしました
何度か言うタイミングを逃しながらも娘さんはやっと
…お父さん、私にもコーヒーちょうだい・・・
とマイカップを差し出したそうです
もう、その時のお父さんのご様子ときたら嬉しさで思わず言葉が堰を切って溢れそうになったと後から聞いて、私も嬉しくなりました
最初は一言一言ずつ言葉を交わしていき、徐々に会話を増やし、最後は目を見ながら話しをすることができる様になってきました。
話を共感的に聞いていたお父さんに娘さんは
…お父さんごめんね。誕生日におめでとうって言えなかったよね
と、伝えたそうです
反抗期に入ってすぐにお父さんの誕生日があり、「おめでとう」と言えなかった自分をずっと責め続けていたんですね
今回はその後のご様子も含めて、半年間かけてカウンセリングをさせていただきました。現在ではお父さんとも話ができるようになり、お仕事もこれまで以上に頑張っているそうです
一緒に生活をしていると、見落としてしまうようなことが多々ありますが、家族はお互いに影響を受けながら成長をしていきます
普段、当たり前のようなことでも見直していくと、幸せの再認識にもつながりますので、みなさまも身近にある小さな幸せをたくさん見つけてみてくださいね
名もない平凡な毎日、それは実は自分だけの大切な宝物だったりしますからね
今回は、クライエントさんからのご相談内容を了承を得て掲載させていただきました。ご参考になれば幸いです
さて次回は「うちの子オタクなんです…子どもが2次元キャラに夢中の場合は」のお話です。
お楽しみに!
思春期教育研究所アジュガ
代表 飯塚ひろみ
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子ども時代は部屋で本とピアノばかり弾いている日々だったが、 行動派な姉に連れられ、野山を駆け巡る。
音大卒業後はピアノ教室を開設し、自宅レッスンの他に訪問型のレッスンも開始。 不登校の子どもとお母さんの支援をする中で、家族の繋がりの大切さを実感する。
結婚・出産後は発達障害の療育に力を注ぎ、同じ悩みを持つお母さんたちと共に「発達障害の会」を結成。理解を深めるための勉強会を現在も定期的に開催している。
杉並区立小学校PTA連合協議会事務局・生協の組合員活動を通じて思春期の子育ての大切さを痛感。カウンセラーの資格をとり思春期・発達障害で悩む母親の支援を開始。
2016年4月 思春期教育研究所アジュガを立ち上げる。
カウンセリングでは性格学に基づき、お母さんの気質(生まれつきの性格)とお子さんの気質に合わせた助言を行いながら、オリジナルのツールを使用し、お子さんの「心の黄金トライアングル(友達と過ごす時間・一人で過ごす時間・家族と過ごす時間)」の乱れを分析し、更に多面体にまで細分化。お子さんとお母さんの気質と関係をみながら、家庭でできる声掛けや接し方を助言し、 性格の違いによる親子の相性、コミュニケーション方法をお伝えします。
反抗期・学習・サブカルチャー・スマホ・対人関係・発達障害・・など、思春期における様々な悩みの種を持つお母さん専門の相談室。
「思春期を持ってましたと迎えるには?」「0点100点理論から見るありのままのわが子の受け入れ方」「発達障害を持つの子どものマイルール作り」「最強の行動思考回路を作る パルテノン型 目標設定法」講演会・セミナー・ワークショップも開催。
2016年5月 16人の法則 MBTIセミナー受講
合言葉は「思春期を待ってましたと迎えよう!」
現在は夫、高1の息子、小3の娘の4人暮らし。 思春期のマイナスイメージを払拭するため活動中。
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中学校教諭一種免許 高等学校教諭一種免許 一般社団法人 日本総合教育支援会認定 臨床心理支援技法士