王様の耳は驢馬の耳 | 王様の耳はロバの耳

王様の耳はロバの耳

普段口には、しないで
済んでいることを
こっそりと、呟いて…

人は、誰もが
愚かしくも、
あまりにも、簡単に

与えられ具えていた、
徳や尊厳を自ら失くし
迷ってしまうことを
私が忘れぬ為に書く
普段は口にしないこと。


人って誰もが、

色んな人と出会っては
自らが、ソコで
感じたことを其々が
内に抱いていて、

折に触れては
今、傍らにある人に
寄り添うようにだったり

話の流れや
話の間に
些末な事柄として
ソコで、自分が
どのようなモノを
どのように観て
捉えるモノかを打ち明けて

価値観が近しい者が
ソコにあれば
親しくなって

価値観が違うようなら
水モノのように
そんな話がソコで
語られたことさえも
形留めず、流れてゆく

自分とは違う存在に
出会って
貴方が、どう感じる者かを
漏らしてみては

釣りのようでも
あるのかな

その話題に
興味がある者が
寄ってくる。

また興味の
そんな話題に
無さそうな者も
ソコに在り

貴方がソコで
一歩踏み込んだり
集って来た者を眺めては

束の間の時を共有する
興に興じるだけに
留まるも良し

一人貴方が憩う
その時に

今の話は
我のことだろう。
何処に言っても
我のことを話すのは
何故だ。と

何処にでもいるような
風体の者が

自ら、今の話題に
登ったのは
この自分だ。

我は何処の
誰々で…と
名乗りを上げて

まるで竜巻や
つむじ風が
舞い降りたように

其の者が登場するまでの
穏やかに和んでいる
空気をも
何処か遠くに吹き飛ばし

ソコに居座る姿は
修羅の形相をした
仏像が何かのようだ。

こうした変わった人って
結構、何処にでも
現れるよね。と

そのような人を
他にも見たことが
有る人は

互いに目を剥いた
己のような顔を
その場の誰かの顔に見ては

目を剥いている者同士
視線を交差しては
相手の顔に
今の自分の顔を見て

自嘲気味に俯いて
浮かんだ笑みを隠す。

それを見ては
突然、ソコに舞い降りた
何処の誰だか
殆どの者が知らない者は

座り心地が悪かったのか
俯いて笑う者を見咎めて

我のことを
今、嗤っただろう。と
むず痒かったお尻を
もじもじと座り直し
居座ってゆく

その者が現れる前から
その場に居た者は
お開きの時間と察するけれど

後から降って湧いた
自己中には分からない。