第1042章 ☆見ず知らずの人からの想いがこもったプレゼント☆ | yamaoka.seigetsuの孤独なHEART

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日々の出来事。

 想ったこと。

    拙書の紹介。                      
 

 『どん底に沈みこんでも根のある人は、どんなところからでも、どんな困難な状態からでも這い上がることが出来る』
       

 一昨日の出来事である。

 それは仕事終わりのホッとしている時間に起こった。

 といっても、電車を待つホームでの瞬間の話である。

 私は青いプラスティック製の椅子に腰をおろしていた。

 電車が到着するまでには10分くらいある。

 その間、ひとり考え事をしていた。

 すると、隣の隣の別の場所の椅子に座っていた背の高い男が立ち上がったのを気配で感じた。

 

 日にちで言うと、一昨日の椅子みたいな。

 (ちょっと意味不明)

 

 立ち上がった背の高い男は、素早く私の青い椅子に近づいてきた。

 そして、手にしっかりと持っていた缶を差し出しながら言った。


 「すいません、これ、いらないですか?」

 

 男の手元を見ると、何かのジュースのようであった。

 「いや」

 と私は言った。

 もちろんいらないと言う意味で。

 男は怪しい者ではない、毒なんてもってのほか、という意味を放つ凄い笑顔を駅のホームに漂わせていた。

 

 私の言葉を耳にして男は元の椅子に戻り、近くにあった空き缶BOXに大事に握りしめていたジュースを捨てた。

 何か怒りをぶつける様にガタンと投げ入れた。

 

 私は考えを巡らせた。

 

 見ず知らずの男が見ず知らずの男にプレゼントを渡すなんてことがあるのだろうか?  

 

 疑問が頭から離れない。

 

 わざわざ自分の大事なお金で買った飲みたいと想った物を見ず知らずの男に渡す訳がない。

 では、人からのプレゼントで自分の嫌いなジュースを、なのか?

 断りづらい人からのものだったとか。

 もしかして、付き合っていた彼女からの?

 いや、別れを切り出した彼女からの最後の優しさ。

 いや、それにしては缶ジュースなんて軽すぎる。

 何だったのであろう?

 見た目で判断するのは良くないが、悪いことをするような人間には見えなかった。

 

 その後、電車に乗り込んた私の心に、せっかくくれようとしていたのに、という後悔の気持ちが何故か浮かび上がってきた。

 飲む、飲まないは別として、もらっといて上げれば良かったと。

 

 では、今宵も、孤独なHEARTを抱きしめて・・・