第1029章 ☆ほぼ、地上と地下で・・・ | yamaoka.seigetsuの孤独なHEART

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日々の出来事。

 想ったこと。

    拙書の紹介。                      
 

 『どん底に沈みこんでも根のある人は、どんなところからでも、どんな困難な状態からでも這い上がることが出来る』
       


 今まで通勤に使うとしたら、自転車、スクーター、自動車があった。

 人の手を借りるとしたら、タクシー(自転車等では如何しても開始時間に間に合わないときか、たまにリッチな気分を味わいたいとき)、バス、電車だ。

 飛行機を通勤に使うことなんて考えたこともない。
 軽微高所恐怖症で、鉄で出来た網状のところに立つだけでザワッとした気持ちになる。

 ゾワゾワと何かがふくらはぎ辺りを駆け回る。
 なので、2階くらいの高さから許せない。
 
 新幹線も今のところ、ない。

 まさに、地上である。

 電車なら地下もある。

 だから、ほぼ、地上と地下なのである。

 暫く通勤に電車を使っているけれど、まさかこういう事態になろうとは・・・

 モノレールを通勤手段にしなくてはならなくなったのだ。

 普通の座席だと未だ乗っていて下が見えないから良いのであるが、揺れが凄い。

 ガタガタと揺れ、右に左に身体を持っていかれる。

 強風でも吹いたら如何なるのか?と想うほど。
 メールやブログも間違ってばかりで上手く書けない。
 然し、この揺れを何とかしてほしい。

 そんな或る日、他の乗客が楽しそうな席に腰を下ろしているのを見かけた。

 そう、運転席の直ぐ後ろの席。
 まるで車の助手席に座っている様な感覚だ。
 私が目撃したのは最後尾車両だったので、運転手のいない其の席だ。
 過ぎて行く景色を見ながらの席である。

 私:楽しそうだな、あの席。いつか座りたいな。

 そう想っていた。

 或る日、其のチャンスがやってきた。

 1番後ろの車両の進行方向とは逆のほうを向いた席に真っ先に座った。

 早く出発しないかと、子供に戻った感覚に導かれながらワクワクとした気持ちを隠していた。

 不思議と、ふくらはぎ辺りを駆け回る何かもいなかった。
 モノレールは、亀が歩き出す如くにゆっくりゆっくり動き出した。

 過ぎて行く景色が素晴らしい。 

 小泉前総理ではないけれど、感動した。
 
 何時もの揺れも怖さも、シャボン玉の様に何処かへ飛んでいった様だ。

 何時も何気なく見ていた景色やなんかも、初めて見る景色に見えた。

 川を越える

 大きな橋を渡る。

 凄い、こんな景色を今まで知らなくて、見てなくて、何をしていたんだろうと想った。

 暫く見ていた。

 下の方の街並みを何気なく見た。

 私:こんなに高いところを走っていたんだな。

 そう想った瞬刻、何処かへ飛んでいってしまったシャボン玉が突然瞳の前に現れた。

 フワフワと現れた。

 私:こわっ。

 想わず叫びそうになった。

 しかも、一本の太いレールの如きところに車体を預けている。
 


 モノレールには、跨座式と懸垂式がある。 
 私が美しいながらも恐怖を軽微感じてしまったのは、跨座式のほうである。
 まさに車体が一本のレールにまたがっている形の其れである。
 懸垂式とは、レールが上で車体が下ににある。

 つまり、車体がレールで懸垂をしているが如き其れである。
 両方恐いが、両方が其れだけで、沢山の命を預かっている。


 
 私:どうりで左右にあんなに揺れる筈だ。此れなら。
 自信があるのであろうか?絶対に落ちないという。

 そんな気持ちになりつつ、降りる駅まで其処の座席に座り続けた。

 いつかレールの如きものが2本になる様に祈りつつ。


 では、今宵も、孤独なHEARTを抱きしめて・・・