タイトルの手放しといえば、矢沢永吉氏や木村拓哉氏であろう。
こう書けば想像出来るのはただひとつ、車の自動運転だ。
手放しで安心感と快適感をアピールしながら両名が惚れきった様に叫呼している。
やっちゃえ! と。
でも、私が此処で言う手放しは其の手放しではない。
家の中で安心感と快適感をアピールするものだ。
其の他、ストレス発散、体力増強、足強化、運動不足解消、ダイエット。
そう、あの家で乗る自転車のことである。
名称はエアロバイク。
若しくは、フィットネスバイク。
引っ越しをする前の家にはあった。
でも、負荷を掛けられる装置が故障していて、家とともに手放した。
家と同じで手放したくなかったけど。
そちらは永ちゃんやキムタクの登場する幕はない、ハンドルをちゃんと摑んでするタイプであった。
然し、永ちゃんやキムタクの如く、手放しで運転していた。いや、運動していた。
手には、スマートフォンや、本、ミュージックプレーヤー。
其のほうがじっと走行距離数などを見ているより良かった。
たまに見るくらいがちょうど良かった。
なので、私も、やっちゃえ! という気持ちになって、今回再びエアロバイクを購入した。
3980円の1番お手軽なものだ。
此れくらいが良いんじゃない、ということで。
ハンドルもなければ、サドルもない。
サドルは家にあった色んな椅子である。
持ち運びもらくらくなので、そういうことになる。
早速エアロバイクに乗り込んだ。
手にはハンドルではなく、書籍。
軽微揺れが気にはなるが、読めなくもない。
そして、途中からスマートフォン。
ユーチューブを見たり、音楽を聴く。
其れに合わせて歌う。
車内で歌っている様に。
また、『10分間腹が痛くならほど爆笑する犬猫動物のおもしろハプニング』(確かこんな名称)を見る。
気付くと1時間経っている。
人は、だいたい1時間で1日の運動は良いらしい。
完璧である。
そして、軽微空いたお腹を抱えながら、やっちゃえ! と想って冷蔵庫に向かう。
プルトップに指をかけて開ける。
此のときとばかりに喉に流し込む。
最高の瞬間が身体中に押し寄せる。
其のとき、ふたりの叫ぶ姿を思い浮かべる。
私も叫んでみたくなる。
皆さんも、やっちゃえ! エアロバイク!
と私は心思の中で叫ぶ。
ちなみに、ハンドルなしの自動運転の如きエアロバイクが悪いというわけではないことを最後に書いておく。
では、今宵も、孤独なHEARTを抱きしめて・・・