父の生まれ故郷長春を後にし、昼過ぎには飛行機で
大連に戻ってきた私達。
突然だが、大連という街は私は大好きだ。ある意味
中国で一番好きなところといえるかもしれない。
そんなことを言うと、天津の社員に怒られるかもしれないが
もちろん天津も大好きであるが。
そんな大連も、実は旧満州国の一部である。
今でこそ、大連は中国の広州、上海、天津と並ぶ
中国屈指の国際貿易港であるが、その昔は、ただの漁村で
あった。
1989年に、帝政ロシアは寒村にすぎなかった大連を
含むこの遼東半島の南部を、清国から租借した。
当時帝政ロシアはウラジオストックという港をもち
そこはシベリア鉄道の起点ともなっていたが
港としては流氷に時々閉ざされることもあり
この寒村であったが大連に目をつけて
一部、都市建設をすすめた。
もともとロシア語で、遠い地、遠方を意味する言葉を
『ダーリニ-』といい、それが漢語読みになって
だーれん、だいれん、大連となっとなだそうだ。
ということは、大連の起源はロシアであったと言える。
大連という地名が命名されたのは、日露戦争中の
1905年のことで、
少し前にNHK大河ドラマであった、『坂の上の雲』の時代と
同じ頃である。
日露戦争で、日本軍は大連の直ぐ近くにある
旅順にて勝利し、戦後経営をにらんで
都市建設に着手することになった。
その際につけられた新しい名前が都市名としての大連の
最初である。
そんなロシアと日本の間の、激しい歴史の中での
起源をもちながらも、親日的な雰囲気をもつこの街を
私は、すごく好きだ。
いつも走る早朝の海岸を走りながらながめながら
こんなところで老後をすごせたらいいなあとさえ、
日本人の私が思う。
そんな落ち着き、そしてなんだか自分のルーツ的な
感じもするこの街。
大連は、海が綺麗で、海鮮が美味しくて、女性が美しい
などいろいろと中国の中でも、よく言われますが、
私が最もすきなのは、やはりその老建築の数々。
↑空港から自宅に戻り、そしてその夜は父に
大連の旧ヤマトホテルを予約していたのである。
今は名称は大連賓館といい、1泊680元(8160円)でちょい
グレードの高い部屋でした。確か400元代の部屋も会ったと思います。
旧ヤマトホテルの旗艦店であり、4つくらいのヤマトホテルを
見てきたが、個人的には大連が一番好き。
↑父の予約した部屋
大連は欧亜連絡鉄道と上海航路との接続点であり、
日本から満州 への玄関口であり、
そして満鉄が本社を置いた最重要拠点で、
それ故に大連ヤマトホテルには欧米の一流ホテルに
匹敵できるような、格式が求められた。
↑1階の通路、突き当りは日本料理岡田。
1914年(大正3年)3月に大連中心部の大広場(現中山広場)前に
旧ダーリニ-ホテルの新館として建てられる。旧館は旧満鉄本社跡
(旧ダーリニ-市庁舎)があったところらしい。
その昔、大連の中山広場から北の方に行った
港あたりが旧官庁街であったとか。旧館はそのあたりにあったらしい。
新館として中山広場に建てられたのだが
ちなみにダーリニ-ホテルとは帝政ロシアの鉄道会社が建てたホテル
↑着工が1909年となんと、明治42年である。
明治時代の建築を、またまたこの大連で見ることができる。
建物の外観はイオニア式でジャイアント・オーダーが8本並ぶ
ルネサンス様式 。
正面玄関には鉄製のキャノピーが設けられており、
設計者は満鉄技師の太田毅と推定されている。
欧米人の宿泊客を想定して館内設備は充実しており、
蒸気暖房やエレベーターも備えていた。屋上には庭園が作られ、
夏季には夜間営業を行う屋上レストラン「ルーフガーデン」が設置されていた。
そのほか理髪所や洗濯部、車馬部(後に自動車部)
などのサービス部門が併設されていたといわれている。
現在は3つ星ホテル大連賓館として、
当時の建物のまま営業されてのである。
そんなホテルを予約していたので、実は私も
一緒に父同じ部屋で泊まる予定だったのだが、
長春からずっと共に行動してきたので
疲れていると思い、
この日は1人でゆっくり寝てもらいました。
9月18日という満州事変が起こったその日に
何の因果か、満鉄が経営していた
旧ヤマトホテルに泊まれるなんてと。。
つぶやている父を見て、
なかなか俺もいい演出をするよなとか
思いながら、偶然なのですが。。
ここは良いホテルチョイスだったなあと。
いやあ、親孝行できたと思えるホテルであった。
大連旧ヤマトホテル!!ぜひお勧め致します。
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