旧満州国の都市計画から思うこと~旧満州国を旅する⑦~(旦那ken) | のん気夫婦の中国・天津・大連生活ブログ

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旧官庁街である新民大街を後にして、向かうは

旧大同広場、現人民広場、新京の骨格となる中心部である。


バスで移動。。


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↑なぜか長春のバスの車内はこのように幼稚園の

お遊戯のような雰囲気で飾ってある。なんか

意味があるのか。


それから、長春はバスの車体に広告が入っておりません。

おそらくこれは街の景観を大事にするための

市の方針。昨年から青島が同じくこの方針を導入。


それだけ、長春も街の景観に力を入れているという証。

その街の景観も旧新京時代の都市計画がもとになっている。

なんだか嬉しい話しである。


人民広場に到着する。長春で一番大きな広場である人民広場。

外周で1.5キロもあり、歩くと15分くらいかかる。


ところで、大連や瀋陽、長春、ハルピンなどでよく見かける

この円形状の広場。

私の住む大連でもよく見かける。


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↑写真は大連の中山広場であるが。


友好広場、三八広場など、このような円形広場を

なぜか、中国東北地区でよくみかける。


上海や北京、天津ではみかけたことがなく

このような都市づくりが気になってはいたが、

実はこれも旧満州国時代、いやそれ以前から

関係がある。


このような都市の中に、複数の広場を設け

それを見通しの良い、大きな通りで結ぶ手法は

19世紀のヨーロッパの都市計画の主流であったとか。


バロック的都市計画と後には呼ばれたそうで

これはヨーロッパの都市がいずれも

中世以来の城壁都市であり、

城壁の中に狭い道路が迷路のように走っている状況を

打開しまた、都市を飾る手法として有効なものであったから

だそうである。


長春ではそのヨーロッパスタイルを当時の満鉄などの人間が

取り入れて都市計画を行った。


ハルピンは、帝政ロシアが都市を作っており、

大連はロシアが途中まで手がけており、日露戦争後

日本がてがけたそうで。


このような経緯で、中国東北地区にこのような円形広場

が多くあり、

また長春の場合は、このバロック的都市計画の延長線上に

あるものだが、複数の広場と見通しのよい大きな通りをに加えて

格子状の街路を組み合わせたところに、斬新さがあったと

言われている。


そういう意味では、この東北地方は、日本とロシア、そして

ヨーロッパが混じり合ったと都市と言える。


話を長春の人民広場に戻し、、




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↑人民広場にいって、すぐに目に飛び込んでくるのはこの

旧満州国中央銀行である。(現在は中国人民銀行吉林省分行)


正面に並ぶ10本の柱は圧巻で、


このよな柱をヨーロッパではコロネード、日本語では列柱という。

これを見た時に、ふと大阪の中之島にある、旧日本銀行大阪支店

の建物を思い出した。


私は小さい時から私を含めた4人の兄弟と、この父にあんまり興味もないのに

よく無理やりこれらの近代建物を連れて見せられたものである。


作りは違うが、なんとななく同じ匂いがする。


父にそういうと、旧日銀を設計した人は、東京駅や中之島公会堂を

作った、明治時代の日本を代表する建築家辰野金吾であり、そして


この満洲国中央銀行を設計したのは中村與資平という辰野金吾の

弟子というかその系統の人であると。父から聞きました。(間違っていたらごめんなさい)


なるほどそれゆえ、大阪の中之島と、この長春が

その時代の設計者の関係でつながるとは、


なんとも不思議な話である。




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↑↓中もちゃんと保存され使われている。


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↑偽満州国電信電話株式会社旧址


これも人民広場にあります。


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↑その後二人で昼食に火鍋を食べながら、父の

熱い建築の話が続きます。満足そうなのは、、

建築がしっかり保存されていることと、火鍋の美味しさに。。


こんな中国の東北地方の田舎に、日本でもなかなか

おめにかかれない、明治大正時代の、しかも日本人が

手がけた建築残っているとは。


しっかり保存してつかっていることに

私も父もなぜか中国吉林省政府へ感謝の念がこみあげてきます。


本当にありがたいと。もちろんそこには国恥を忘れぬようにとの

意味もあるのだが、それでもそれらが保存されていることに

多くの意味があり、また多くの受け止め方がある。




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↑父からもらった、満州国都市物語。大変参考になり

勉強になります。著者の西澤泰彦さん。よくぞここまで

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