p121
「しかし、他の人々は、逆の流れに言及して、村井が麻原に強い影響を与えたと述べた。」
村井だけでなく、幹部たちはそれぞれ麻原に影響を与えている。
井上は井上で、上祐は上祐でそれぞれに違った影響を与えている。
ただ、村井の持つ情報量が(記憶力と言ったほうがいいかもしれない)他の二人よりも桁外れに多かったということだ。
しかし、村井にも苦手な分野がある。
ミラレパとガフヴァが布施されたマンガを読んでいた事が麻原にバレて、麻原に二人のユノについてどう思うかと聞かれた村井はしどろもどろになっていた。(笑)
グルと弟子との関係は1対1であり、グルは弟子を写す鏡である。
それぞれの幹部たちは自身の内面をグルに投影し、それぞれの世界を築いていた。
村井の言動が麻原に大きな影響を与えたのは、村井が自分が持つ知識を全てグルに捧げようとした結果であり、井上の言動がおかしな事になっているのは井上の内面が表に出てきた結果であり、上祐は・・やめておこう。(笑)
p129
「村井は、・・包丁で刺殺された。・・麻原が、殺人を命令した・・村井は口が軽すぎて・・・」
当時、生放送で村井の言動を見ていて、これはまずいなと思ったものだ。
大勢の人を殺す事が功徳になると堂々と発言していたが、村井が本気でポアを信じていた事がよく分かる。
上祐なら、口が裂けても絶対に言わないはずだ。
事実、上祐は時折村井の方を見て、たしなめるような仕草をしていた。
村井の最大の失敗は、自信満々でプラントにハステロイを使っていると答えた事だ。
サリンの製造で気をつけなければならないのは、製造過程で生じる化合物がガラスだろうと金属だろうと何でも溶かしてしまう事だ。
そんな恐ろしいサリンに溶かされずに耐える超金属がハステロイだ。
村井の自供によって、オウムがサリンを製造している事が、あろうことか生放送で全国に流されてしまった。
これでは流石に麻原も村井を切らざるを得なくなってしまった。
録画番組だとテレビ局の都合のいいように編集されてしまうからと、生放送にこだわったオウム側の策略が裏目に出る結果となった。
しかし、おかしいのは、なぜ村井をテレビに出してしまったのかという事だ。
p130
「東京本部の地階への入り口に、その日、鍵がかかっていて・・・」
村井を刺殺した殺人犯は、明らかに執拗に村井を狙っている様子がテレビカメラに映し出されていた。
そして、豊田商事以来の殺人の生中継という結果になってしまった。
この時、麻原は村井に地下から中に入るようにと指示を出している。
村井は指示に従って、正面入口から入らずに地下へ降りていったが、いつもは開いているはずのドアには、その日に限って鍵がかかっていた。
この鍵をかけたのが誰なのかは未だに分かっていない。
もちろん、麻原からの指示がなければ、村井はあっさりと正面玄関から中に入り、刺殺される事はなかった。
村井が地下へ降りている間に、正面玄関の前には人だかりが出来ていて、村井は中へ入る事が出来なくなってしまっていたのだ。
p147
「私は人々を助けたかった」
林郁夫については、人物紹介のカテゴリーで書こうかなと思っている。
タイトルは「先生」である。
ただ、ねえ、井上にしても、林郁夫にしても、熱烈なファンからの攻撃が恐ろしいよね。
狂信者ってのは、常軌を逸しているからなあ。
p153
「林は、出家する際に・・愛人からなるお供を連れてきた。」
「林の愛人だった○○は、・・二十歳のとき、林と長い関係を始めていた・・」
ああ、何をか言わんや。