仮釈放については、更生保護法に規定されている。
その対象者については、第十六条の一で刑法第二十八条を引用している。
刑法第二十八条には、無期刑については10年を経過した後と定められている。
しかし、実際にはこの通りにはならない。
昔(昭和)の刑事ドラマでは、「無期懲役になっても15年で出てこれる、模範囚なら12年だ。」とか何とか言うセリフがあったような気がするが、現在では30年以上でなければ仮釈放になることはない。
これは、有期刑の最長が30年なのだから、無期刑は当然それ以上に長くなければおかしいという考え方によるものと思われる。
だとすれば不思議な話だ。
大雑把に計算しても、1995+30=2025。
中村が仮釈放を許可されるにしても、それは当然2025年以降ということになる。
中村は許可されることはない事を知った上で、仮釈放の手続きを行ったということなのだろうか。
もうひとつ、「無期刑受刑者に係る仮釈放審理に関する事務の運用について」という通達で、刑の執行が開始された日から30年が経過したときは、・・・・仮釈放審理を開始するものとする。となっている。
そして、その後10年ごとに審理をする事になっている。
これを見る限り、とにかく30年経過しないことにはどうにもならないように思える。
なのだが、これもブラックボックスと言うしかない気がするが、30年というキリのいいタイミングでの審理が行われることはない。
過去のデータを見る限り、かなりバラバラになっている。
さらに、仮釈放を許可するかどうかの審理は、原則として刑事施設の長からの申し出によるものとされている。
つまり、ここの部分は、受刑者本人の思惑だけではどうにもなりそうにない。
どうなっているんだろうなあ?