相変わらず呼吸は止まったまま。
不思議なもので、全然苦しくならない。
それが楽しい訳ではない。
逆に、このままだと死んでしまうのではないか?
などという考えは全く沸いてこない。
ただ、止まっている。
ただ、それだけ。
しばらくそうしているうちに、思考がやって来た。
いや、正しくは思考の元になるデータがやって来た。
さらに詳しく言うなら、思考の元になるデータがやって来るのを見た。
そういう事になる。
まさに観照者だ。
そのデータはこう告げていた。
「そろそろ呼吸をしないといけないな。」