ハングドマン8 | 法友(とも)へ

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しょうがないのでコメントを少し。(笑)

 

 

田口ランディにもっとえぐって欲しかったのは、林泰男がなぜ地下鉄にサリンを撒いたのか?という事。

 

その時に何を考え、どうやって最後の決断をしたのか、そこが知りたい。

 

 

これが男であれば、いくらでもグイグイ切り込んでいけるのだが、女の場合、好きな男にはそこまで詰め寄れない。

 

どうしても、私が守ってあげなくちゃの気持ちの方が強くなる。(笑)

 

その意味で、この「ハングドマン」という小説は失敗と言える。

 

しかし、まあ、恋愛小説としては成功しているのだが。

 

 

林康男の動機については、かなりな部分が曖昧なままである。

 

これはまあ、同じ組織にいて、同じように麻原からの指示で動いていた者同士として、その行動パターンは分からなくもない。

 

どんな組織においてもそうだと思うが、基本的には上からの指示には逆らえない。

 

実生活において、皆さん職場で経験していると思うが、嫌なら辞めろである。

 

 

で、オウム真理教の場合、上からの指示があれば、いかにしてその指示を確実に遂行するかに注意が払われることになる。

 

どんな指示であっても、やらないという選択肢はない。

 

たとえそれが、地下鉄にサリンを撒くという事であっても。

 

 

つまり、先に地下鉄にサリンを撒くという前提があり、その正当性を見出すための根拠は後付けとなる。

 

例えば、オウムにサリンが作れるわけがない。

 

だとか、

 

断ったら、自分だけでなく、自分の家族の身に危険が及ぶ。

 

などである。

 

 

残念ながら、これらは実は何の根拠にもならない。

 

そして、林康男はこれらが根拠にならないことを知っている。

 

オウムが失敗する、というか失敗するのは基本的に村井なのだが、その原因は麻原に期限を決められて、圧倒的に時間が足りないというところにある。

 

試作品を作って、その欠点を改良してということはなく、全部一発勝負だからである。

 

 

麻原からの指示は、「アメリカが10年かかるなら、オウムなら1年で出来るな。」みたいな指示ばかりである。(笑)

 

こんなもの初めから成功するわけがないのだ。