熊本県警強制捜査⑤ | 法友(とも)へ

法友(とも)へ

ブログの説明を入力します。

モノトーンのツートンカラーの乗用車。


その乗用車がパトカーだと気づくまで、ほんの一瞬タイムラグがあった。


こんなところをパトカーが走っているわけがない。


そんな思い込みがあったのかもしれない。



そのパトカーはサイレンを鳴らすわけでもなく、何の音もたてずに静かに滑り込んできた。


その後ろに、今度は普通の乗用車。


それに続くのが、大きな車。


これもパトカーと同様に二色刷り。


暗い水色と白のストライプだった。



こんな静かな田舎町には不釣り合いな大型バス。


窓には金網が張られ、カーテンがすべて引かれている。


機動隊輸送車!!!



そして、最後尾からはもう一台のパトカーが続く。


目の前を最初のパトカーが通過してから、最後尾のパトカーが通過するまで、ほんの3秒かそこらだった。


4台の車は音を立てることもなく、その気配を感じさせることもなく、文字通り瞬く間に目の前を通り過ぎ、ノーブレーキのまま雑貨屋の裏の駐車場へと消えていった。


4台の車は雑貨屋の陰に入り、こちらからは何も見えない。



ほんの数秒の間に起った事がまるで嘘のように、いつもの静かな日常の風景に戻っていた。


来た。


本当に来た。



強制捜査があることなど分かるはずがない。


そう思っていた。


しかし、本当に警察はやって来た。


どうやって強制捜査があることを知る事が出来たのか?


それは謎だが、今はそんな事を考えている暇などなかった。