麻原は玄関の鍵が開いていることを知っていた。
では、麻原はどうやってその事を知ったのだろうか?
ここで、麻原に絶対的な帰依を有する弟子たちは、超越神力によってと考えるだろう。
まあ、それは当然の事だろうと思う。
そして、論理的に考えるならば、ダンテスダイジの時と同じく、ひとつの答えが導かれる。
もし、麻原が超越神力によって鍵を開けたのでなければ、麻原がプロに仕事を依頼した以外の答えはないのだ。
実は、公安総務課の刑事と話をしたときに、オウム内部に鍵を開けられる人間がいないかと聞かれた事があった。
まあ、あの当時はプロに仕事を依頼するという発想はなかったので、林 泰男が開けたんでしょうねと答えておいた。(笑)
林 泰男は麻原から拳銃や防弾チョッキを渡されていたが、それ以外にもピッキングで鍵を開け他人の家に忍び込んで盗聴器を仕掛けるという事もやっていた。
シリンダー錠なら開けられる技術を持っていたという事だ。
僕の話を聞いた刑事は、「分かった、聞いておく。」
と、答えた。
一瞬、はいっ?
と思ったが、どうやら直接本人に聞く気らしい。
この当時、林 康男は逮捕されており、取り調べを受けている最中だったはずだ。
しかし、取り調べをしているのは刑事部のはず。
出張って来るんだ。
やっぱり公安って出張って来るんだ。
テレビドラマのとおりなのか。
そう思った。