一時期、警察と頻繁に会っていたことがある。
職場にやって来られると仕事がクビになってしまうので、それを防ぐために外で会う必要があったということである。
まあ、かれこれ40回ほど会って、色々と話をした。
実に様々な部署から、実に様々な刑事たちがやって来た。(笑)
最低でも週一でやって来る。
多い時は週3回ということもあった。
迷惑な話だが、元オウムの悲しさで、そうしなければ日本では生きていけなくなる。
しかし、警察と会うのも、実は悪い事ばかりではない。
オウムの外に居ながらにして、たくさんの情報を得ることが出来たのだ。
しかも、警察という国家権力が保証する、正確無比な情報の数々である。
中でも警視庁公安総務課の刑事は優秀だった。
他の刑事たちとは、一味違っていた。
その刑事と、色々話をするうちに、坂本弁護士事件の事が話題になったことがあった。
やはり、なぜ鍵が開いていたのかが謎のままだということだった。
麻原は、佐伯との電話のやり取りで、佐伯から、
「鍵がかかっているから中に入れません。」
という報告を受けて、
「おかしいな、開いてるはずなんだがな。」
と答えている。
この事について、思わぬ展開があった。