どうやら法務部では、交通事故処理を行ってはいないらしい。
ということになると、ここでもまた疑問が湧く。
年がら年中、事故を起こしてばかりいるサマナたちの事故処理は、一体誰がやっているのだろう?
と、Sに聞いてみたら、「車両班がやってるんじゃないの。」
と言うので、電話してみたら、いましたねえ、事故処理の専門家が。
Nは高橋 克也と同じく古いサマナである。
優秀な男なのだが、スマンガラ同様なぜだか師になれずにいた。
その一方で、こんな奴がと思うような師もいたので、麻原の基準がどうもよく分からない。
Nはどうやら、教団の事故処理を一手に引き受けているらしい。
で、そのNが「警察に連絡しましたか?」
と聞いてきたので、「来てたよ。」
と、答えると、
「じゃあ、事故証明が取れるので、自賠責の被害者請求をしてください。」
と言う。
被害者請求?
被害者は保険に入っていないが、請求出来るんだ。
なるほどね。
そんな制度があるとは知らなかった。
とりあえずこれで、答えは見つかった。
それにしても、やっぱり、答えを知っている人間に聞くと、問題解決が早いねえ。
これは修行も同じ事。
知ってる人間に聞くしかないが、傲慢さが邪魔をして聞けないのだろう。