スズメバチ31 | 法友(とも)へ

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巣につかまったハチクマをたくさんのスズメバチが襲う。


しかし、ハチクマは平然としている。


ハチクマの体には、硬い羽根がうろこ状にびっしりと生えており、スズメバチの針が通らないのだ。


この地上のあらゆる生物が恐れ、苦痛を感じるスズメバチの針が、ハチクマには全く通用しない。



ハチクマは悠然と、巣につかまっているスズメバチたちを、鋭いくちばしでくわえてポイっと放り投げる。


次々とつまんでは投げる姿は、まさにちぎっては投げちぎっては投げという感じである。



スズメバチが周りにいなくなったところで、ハチクマは巣にいる幼虫やさなぎを食べ始める。


スズメバチの動きに変化が起こるのはこの段階からである。


スズメバチたちは一斉にハチクマへの攻撃を止め、逃げ惑うようになるのだ。


そしてしばらくすると、スズメバチたちは巣から離れてどこかへ飛び立ち始める。



成虫がいなくなったスズメバチの巣に、他のハチクマたちがやってきて食べ放題を始める。


圧倒的は強さで他の生き物たちを餌にしてきたスズメバチが、ハチクマに対してはただ一方的に餌にされてしまっているだけというのはとても興味深い。


そしてここでも、ハチクマの共同生活における精神性の高さが発揮される。



身体に障害を持ち、足が1本しかないハチクマもいて、このハチクマはスズメバチの巣への攻撃には参加していない。


自分は何もせずにただ餌にありついているだけなのだが、他のハチクマたちはこの足がないハチクマに、一番いい場所を開けてやる。


足のないハチクマは羽根で身体を支えて、たっぷりと餌にありつく事が出来るのだ。



お前たち。


鳥のくせに、尊敬するぜ!