1羽が体当たりをして飛び去る。
その後を追うスズメバチ。
その隙に別の1羽が反対側から体当たりをする。
巣が大きく揺れて、またしてもたくさんのスズメバチが飛び出してくる。
このハチクマの波状攻撃に、さすがのスズメバチも大わらわの様相を呈してきている。
この波状攻撃は、2羽からさらに3羽へと増えていく。
攻撃のたびに巣に加えられる衝撃。
外壁は少しずつ破壊され、巣の中身がむき出しになっていく。
そして、とうとう、大きく壊れた外壁のところへハチクマが舞い降りる。
一斉に襲い掛かるスズメバチの集団。
まったく不思議なものだ。
ハチクマに襲われると、スズメバチは攻撃もせずに逃げ惑う。
そう言われているのは、一体どういうことなんだと思ってしまう。
その答えは、この後明らかになる。
僕から見ると、その答えはあまりにも簡単に思える。
それなのに、ハチクマはスズメバチが嫌がる物質を何か出しているんじゃないか?
などという見当違いの事を言う人たちがいるのは実に不思議な事だ。
まあ、オウムにしてもそうだが、本当の意味での専門家というものはそう数は多くはないのだろう。