老紳士を先ほどの外人のところへ連れて行って、「青蓮寺に行きたいんですが。」と言うとさすがは地元の人、ちゃんと知っていた。
が、その後がいけない。
外人に向かって英語で説明しようとするのだが、なんだか変顔というか難しい顔になるだけでほとんど言葉が出てこない。(笑)
そこで、「僕が一緒に行きますから。」
と言って、日本語で説明してもらう。
京大とは逆方向へ真っ直ぐ行って、ふたつ目の信号を右に曲がる。
道路の左側のふたつ目の路地を入ったところが青蓮寺だ。
老紳士にお礼を言って、外人と一緒に青蓮寺へと向かう。
講演会まではまだ時間に余裕があるから大丈夫だろう。
道すがら外人がなにやら話しかけてくるが、どうやら京都は素晴らしい町だと言っているようだ。
親切な日本人と一緒なので、ごきげんさんだ。(笑)
僕はうんうんと相槌をうちながら、「どこから来たんですか?」
と英語で聞いてみた。
すると外人は、「何を言っているのか分からないけど、どこから来たのか聞いているんですか?」
と言った。(笑)
そこで、僕は「そうそう。」と英語で答える。
すると外人は「アルジェンチーノ。」と答えた。
「ああ、はいはい、アルゼンチンね。」
と、僕は英語で答えた。
ま、虫も外国人も同じ事で、伝わってくるヴァイブレーションを日本語に翻訳すればいいだけだ。
ただ、虫はそれほど複雑な言語体系を持っているわけではないが、人間の場合は複雑なので正確に翻訳するのが難しい。(笑)