ハチクマ。
初めてその名前を聞いたのは、随分と前のような気がする。
ハチクマとは、小型の猛禽類のことである。
様々な蜂を餌にしており、驚くべきことに、スズメバチさえも餌にしてしまう。
ハチクマ。
不思議なネーミングだ。
蜂を餌にしているのだから、「ハチ」が付くのは分かる。
しかし、「クマ」って何だ、クマって。
これが「タカ」とか「ワシ」なら分かるのだが、猛禽類はクマじゃねえぞ。(笑)
まあ、これはクマが蜂を餌にしているからなのかなと思う。
最初に、蜂を餌にする生き物はクマであるという観念があり、同じく蜂を餌にする猛禽類にもクマをつけてしまえ。
みたいな。
しかしである、日本国内において、ツキノワグマなどが餌にしているのはミツバチなのだ。
確かに、スズメバチの巣も襲うには襲う。
だけど、あっさりと返り討ちにあってしまう。(笑)
ツキノワグマは小柄なので、高い場所にある巣には届かない。
それで、スズメバチの中では小型の部類になる、クロスズメバチの地面にある巣を狙うことになる。
ところが巣に近づいただけで、一斉に襲い掛かられる。
ツキノワグマは転げまわって身体についた蜂を振り払い、再び巣に近づくのだが、すぐにまた全身を刺されてしまう。
これを何度か繰り返し、ツキノワグマは諦めてしまう。
巣はほとんど無傷のままである。
てか、これだけ刺されても生きているツキノワグマって。
野生って凄いなと思う。
ところがハチクマの場合はそうではない。
逃げ出すのはスズメバチの方なのだ。
ハチクマに襲われたスズメバチは、攻撃することも出来ずに逃げ惑う。
その話を聞いた時は驚嘆したものだ。