オウムでは教義上、野菜を作ることが出来ない。
なんたって厳しい戒律があり、殺生をしてはしてはいけないからである。
ましてや農薬を使うなど言語道断であり、破門されてもおかしくはないほどである。
まあ、これも自分達が殺生はしないけど、他人が殺生した物は食べてもいいという、なんだかなあな考え方ではあるのだが。
が、しかし、そんなオウムも一時期野菜作りを研究していたことがあった。
何を研究していたかというと、もちろん無農薬有機農法である。
これは皆さんご存知の、ロータスヴィレッジ構想の一環としてということだ。
今でこそ無農薬の栽培方法がかなり研究されてきているが、当時はまだそれほど普及してはおらず、画期的は考え方と言ってもよかったのではないかと思う。
農薬を使わない代わりに、虫には虫、害虫には益虫を使う。
カマキリ、クモ、テントウムシなどなど、様々な虫たちが頑張ってくれる。
とは言っても、彼らは単に食事をしているだけなのだが。(笑)
繁殖力の強いベジタリアンと違って、肉食系は生態系のバランスを保つために繁殖力が弱い。
そのため益虫の方が農薬に弱く、その土地の農薬の影響が消えるまでに何年もかかる。
しかし、オウムの場合は殺生になるからということで、始めから農薬を使っていない土地がたくさんある。
虫が殺生をするのであって、自分たちは殺生をしない。
無農薬栽培はまさにオウムにうってつけのはずだったのだが、結局は野菜作りは行われることはなかった。
その理由はというと、ロータスヴィレッジ構想が、そもそも始めから嘘八百だったということなのだろうと思う。
殺生をしてはならないという大前提があるのだから、それは絶対に不可能なのだ。
椎茸の原木栽培も行われていたのだが、台風が来て大雨に流されそれっきりになってしまった。