青色発光ダイオード② | 法友(とも)へ

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電子は原子核の周りの軌道上にしか存在できない。


原子が規則正しく結びついた結晶では、これが帯の様になっておりエネルギーバンドと呼ばれている。


一番外側のエネルギーバンドからさらに外側に電子が飛び出す時に、持っていたエネルギーを光として放出する。


この距離が離れるほどエネルギーが高い。



何色に光るかはこの距離で決まる。


シリコンはこの距離が短く、目に見えない赤外線を放出する。


この距離がもう少し広がると赤い光。


さらに広がると緑色。


さらにさらに、もっと広がると青い光となる。




世界中の科学者がセレン化亜鉛を研究する中、窒化ガリウムの研究を続けていたのが赤崎教授である。


セレン化亜鉛を使えば簡単に青色発光ダイオードを作ることが出来るのだが、耐久性が弱く直ぐに壊れてしまっていた。


赤崎教授は、青色発光ダイオードの実用化には、窒化ガリウムの研究が絶対に必要と考えて、当時学生だった天野教授に研究するように言ったのだ。



窒化ガリウムは本来は紫外線を出す。


紫外線は目に見えないが、そこに混ぜ物をすることによって、青い光を取り出している。


当時の研究では、4万2千気圧、2,400度という極めて特殊な環境でなければ、窒化ガリウムを作り出すことが出来なかった。


これでは実用化には程遠い。



そこで天野教授が考えたのが、物理的な要素だけではなく、化学反応の助けを借りるという方法だった。


4万2千気圧、2,400度という高温・高圧の環境ではなく、低温・低圧で作るための実験が始まった。


そのためにサファイアを基盤にして、その上に窒化ガリウムの結晶を並べていくのだが、サファイアと窒化ガリウムは原子の並び方が16%も違う。


この並びが1%違うと、綺麗な結晶化は出来ないと言われている。


そのため、天野教授は2年間で1,500回もの失敗を繰り返した。