サンデー毎日 | 法友(とも)へ

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ある時、遠藤が週刊誌を持って来て、読んでおくようにいった。


それがサンデー毎日だった。


どうやら、その日発売されたばかりだったようだ。


内容についてはほとんど覚えていないが、「オウム真理教はイエスの方舟とは違う。」とかなんとかいう記事だったと思う。



サマナたちは誰もイエスの方舟を知らない。(笑)


一通り記事を読んでは見たものの、何が言いたいのかがよく分からない。


オウムとは違うって、何を当たり前のことを言っているんだという感じだった。


しかも、イエスの方舟などという訳の分からないものと一緒にするなんて、と怒り出す始末。(笑)



記事にはしっかりオウムとイエスは違うと書かれているのだが、誰もそこは読んでいない。


で、遠藤が編集長の家の電話番号を書き残して、抗議の電話をする様に言って出て行った。


富士山総本部だけではなく、おそらく日本全国の支部道場からも抗議の電話が殺到し、大抵は話中になっていたようだ。



僕の隣でもサマナがせっせと電話口に向かって文句を言っていた頃、村井がやって来た。


その時の村井の第一声が、「誰か、手っ取り早く功徳を積みたい者はいるか。」だった。


いかにも村井らしいセリフだ。




サンデー毎日に対して抗議の姿勢を示すことが、現時点における最高のグルの意思の実践。


それで編集長の自宅の周りで抗議のビラを撒くということだった。


当時はまだ印刷工場はなくリソグラフでの印刷だったが、数百枚刷り上ったところでとりあえず第一便が出発し、残りは後発部隊に引き継ぐ形となった。


既に記事の内容に十分に腹を立てていたサマナたちが名乗りを上げ、村井の「車を待たせてあるから、直ぐに乗ってくれ。」の声に飛び出していった。



これがオウムが持つ機動力の恐ろしさと言えるのではないかと思うが、その中心にいるのは、やはり村井なのだ。