日本最強の羽生名人が連敗。
引き分けに持ち込むことすら出来なかった。
世界の壁というよりもカスパロフの壁は厚かったということなのだろう。
カスパロフは5年ぐらいちゃんとした対局はしていなかったようだが、それでもやっぱりものが違うということなのだろう。
カスパロフが戦ったスーパーコンピュータ、ディープブルーの演算速度は1秒間に2億手を読む。
そのディープブルーにカスパロフはトータルで勝ち越している。
それに対して、日本のプロ棋士たちが1勝4敗と負け越したパソコンの演算速度は、1秒間に400万手。
いかにカスパロフが凄いかがよく分かる。
それにしても、よくもまあスーパーコンピュータとの対戦を受けたもんだなと思う。
しかも、それに勝ち越すなんて、尊敬に値する。
そのカスパロフは英語で羽生とやり取りをしていたが、インタビューに答える時も、ロシア人なのに全て英語で答えている。
その答え方を聞いていると、とても聡明な人物だという印象を受ける。
振り駒を行った時も、「このようなハイテクノロジーの戦いにおいても、伝統的なやり方が継承されていることが素晴らしい。」と言っていた。
そのカスパロフが、「チェスの世界において、人間がコンピュータに負けたことによって、何が変わったか?」
という質問に素晴らしい答え方をしている。
カスパロフは「何も変わらなかった。知性の戦いはゆるがない。」と答えたのだ。
素晴らしい。
ただ単にチェスが強いだけではない。
今回が初来日ということだったが、こんなに面白い人物をどうして今まで放っておいたのだろうと思うぐらいだ。
まあ、このカスパロフのセリフを修行者風にアレンジすると、こんな感じですかね。(笑)
「解脱して、何が変わりましたか?」
「何も変わりはしない。真理の探求はゆるがない。」
って、ことで。