信じられないような結末だったなあ。
ニューヒーロー誕生ですかね。
1000差がついたところからの大逆転勝利。
プロ棋士でさえも何が起こったのかが分からないというギリギリの勝負。
見ごたえがあったよなあ。
人間同士の勝負では絶対に有り得ない展開が素晴らしかった。
今までで一番の名勝負といえば、GPS対Bonanzaだと思う。
前年度の対局でA級棋士の三浦を完全に子ども扱いしたのがGPSだった。
東大の実験用コンピュータ1,000台をネットワークでつないだのがGPSであり、最高学府の怪物クラスターマシンと言われた。
当日、外せない実験が入ったということで670台に数が減ったのだが、怪物ぶりは変わらない。
次の年のコンピュータ選手権において、Bonanzaもまたクラスターにしてきたのだが、予算の関係からか東大の半分程度の規模しかなかった。
そして、対局が始まる。
予想通り、GPS有利で進んでいく。
追い込まれたBonanzaは残り時間も少なくなり、評価値に決定的な差がついてしまう。
勝負は終盤に入り、とうとう王手飛車まで食らってしまう。
天を仰ぐ開発者。
誰しもがGPSの勝利を確信した、その10数分後、驚くべきことにBonanzaが勝つのだ。
物言わぬコンピュータの代わりに人間が解説をするとするならば、王手飛車はわざと食らったということになる。
敵は必ず飛車を取りに来る。
だから、次の手は読む必要がない。
その一手開いた瞬間に放たれる渾身の反撃。
その一撃がGPSの思考を乱し、結果切れ負けに追い込んだ。
あんな名勝負はもう二度と見られないと思っていたのだが、そうではなかった。
コンピュータはまたしても名勝負を見せてくれた。
ありがとう。
感謝する他はない。