どろどろを供養するとき、その横にハエが卵を産みつけていることもある。
かろうじて立体的な構造を保っている部分に密着し、ひっそりと寄り添っている。
困るんだよねえ、こういうの。
オウムでは殺生を禁じているのですよ。
ゴキブリ同様、ハエの卵もどこかへ逃がしてやらなければならない。
なんでこんなことになるのかというと、お供物にはラップをかけることも網をかぶせることもゆるされないからである。
まあ、これは一般家庭の仏壇のお供え物と同じだと思う。
おまけにハエが飛んでいても殺虫剤を吹きかけるわけにもいかず、その存在を生ぬるく見守るだけである。
ということで思い出したんだけど、ハエや蛆虫というのはとても役立つ生き物である。
まあ、地球上の生き物というの何らかの形で役に立っており、地球という視点に立てば環境を破壊しているのは人間だけであるのだが。
人間というのは、自然の中に生まれたがん細胞のような存在であり、今も激しく増殖中である。
エボラやデング熱も、人間というがん細胞を抑制する、地球の免疫システムなのかとさえ思えてくる。
人を殺してはいけないと言いつつ、世界中で人が殺され続けているのも、そういう理由によるのかもしれない。
え~と、人間の事じゃなくて、ハエの話でした。
蛆虫には歯がない。
したがって固いものは食べられない。(笑)
食することが出来るのは、どろどろに柔らかくなったものだけである。
で、どろどろになっているということは、そこには様々な雑菌が繁殖している。
ではなぜ、蛆虫はそんな身体に悪そうなものを食べても平気なのだろうか。
ここに蛆虫の持つ特殊な、素晴らしい能力がある。
蛆虫は体内で天然の抗生物質を作り出し、それを口から吐き出してどろどろを殺菌してから食べているのだ。
蛆虫は雑菌を食べても平気なのではなく、雑菌を食べてはいないのだ。
観念の崩壊だよね~。
食物は、どろどろになっていることが悪いのではなく、そこに繁殖している雑菌が悪さをしているだけである。
食物自体はどろどろになって、消化吸収しやすくなっているだけである。(笑)
それにしても、人間や他の生物にとって有害な菌を殺菌してくれているなんて、なんて有難いんだ!
もし、蛆虫がいてくれなかったら、地球上は雑菌まみれの恐ろしい環境になってしまっていることだろう。
この蛆虫の持つ素晴らしい能力は医療にも応用されており、糖尿病で壊死した患部の除去に使われている。
繰り返すが、蛆虫には歯がない。
正常な細胞を全く傷つけることなく、壊死した部分だけを取り除き、無菌状態にしてくれる。
そして、食べる餌がなくなってしまった蛆虫たちは餓死するのである。
なんて悲しいんだ。