そうやって光の中をしばらく漂っていると、周りがなにかざわざわし始めた。
照明がつけられ、どうしたのかと思っていたら、どうやら1時間たったらしい。
僕の感覚だと10分ぐらいしかたっていないのだが、どうやら50分ほどどこかへ行ってしまった。(笑)
意識ははっきりと保ったままだったので、サヴィカルパサマディに入っていたようだ。
まさしくチベット密教のイニシエーション恐るべしである。
組んでいた蓮華座を外して立ち上がったところで、後ろにいたサマナに声をかけられた。
「さすがですね。微動だにしていませんでしたよ。」
そりゃそうだ。
10分しかたっていないんだから。(笑)
そのまま歩いていこうとすると、別のサマナが交代なのかさっきまで僕がいた場所に近づいていった。
そして、「わあっ!」と言って驚いたように声を上げていた。
当然だよね。
その空間は、さっきまで偉大な成就者のR師がサマディに入っておられたのだよ。(笑)
それにしてもさすがは修行班。
僕のエネルギーの凄さを感じ取れるとはたいしたものだ。
僕の近くにいながら、僕からエネルギーを吸い取ることしか出来ない連中に、つめの垢を煎じて飲ましてやってもらいたい。
とまあ、そういうわけなのだが、あのイニシエーションは他に誰が受けたのだろうか?
体験談をきかせてもらいたいと思うのだが、村井は受けていないようだった。
麻原の部屋から出てきた時に、外で村井が正座をして資料に目を通していたが、その時に言われたことが「君はええなあ。ワシなんか最近なんにもイニシエーション与えてもらえんのや。」だった。
そんなこと、あんたに言われたかないよ。
って感じですけどね。