バルドーにおける43日目あたりが人間界である。
本来であれば、ここで青い光が見えるはずなのだが、生きているときに三悪趣のカルマを積んでいるとそちらに意識が向かってしまい、人間界の光を見ることが出来ない。
さらに、そもそも死後ショックがあるので、43日目であることすら分からない。
普通ならそのまま通過して三悪趣へと落ちていくのだが、ここでグルが登場することで事態は一変する。
グルは「今が人間界だぞ、さあしっかりしろ。」とハッパをかけるのである。
そして、こう言うのだ。
「アナハタチャクラに意識を集中して、ガヤトリーマントラを唱えろ。」
すると、あら不思議、薄ぼんやりと青暗い光が見え始める。
しばらくして、「まだ汚れが残っているな、第二のプロセスで甘露を落として浄化しろ。」
しかし、暗さは取れてきたが、まだ明るさが足りない。
「エネルギーが弱いな、しばらく回しておけ。」
で、回していると、青い光はだんだんと明るく輝きだす。
ここまでくればもう大丈夫なのだが、これは43日目に終わらせておきたい。
44日目になってしまうと、同じ人間界と言えども厳しい環境の中へ転生せざるを得なくなるからだ。
青い光に意識を集中していると、それが大きくなり近づいてくる。
さらに集中すると、それがひとつひとつの青い光の粒であることが分かる。
その粒に集中すると、ここで様々なビジョンが見えてくる。
そのビジョンに飛び込めば、輪廻転生が完成する。
ここでバルドーの罠に嵌らないようにするために最後の注意が必要となる。
麻原が選ぶべきビジョンとして挙げているのが、一家団欒や人々がお互いに助け合い、笑顔にあふれているといったものである。
青い光を選んだ時点で最低でも人間界が保障されているが、出来るだけ幸せな環境を選択すべきであると思う。
というわけで、グルが必要であり秘儀瞑想が必要であるとするのが、オウム真理教の教義である。
つまり、事件の被害者はポア出来ないのだ。