オウムにおける水中クンバカの記録は、サマナが15分超、そして信徒が7分超である。
まったくオウムというのは超人集団だなと思う。
まあ、しかし、クンバカの時間は横で比較することにあまり意味がない。
クンバカはあくまでも自分との戦いであり、他人と比較してどうこうというものでもない。
それに、水中クンバカは、修行というよりもアスリートが行うスポーツに近い感覚のものである。
クンバカの前に水中に腰の辺りまで水の中に入り、ヴァヤヴィヤの出入息を行う。
ヴァヤヴィヤの場合は25回で終わりだが、水中クンバカの場合はこれを10分、20分と続ける。
そうすることで血中の酸素濃度が上がり、クンバカ時間を1、2分長くすることが出来る。
さらにオウムには、AHIという便利なものがあるのである。
酸素吸入器を使って、高濃度の酸素の中でさっきの出入息を行うと、人間の限界まで血中酸素濃度を上げることが出来る。
要するに急性の酸素中毒である。
全身が痺れ、手足の先端から痛みが走り、それが全身に広がっていく。
その状態で水中クンバカを行うと、最初は全く呼吸が苦しくない。
全身の痛みが引いていくまでに3、4分かかり、そこからが本当のクンバカの時間になる。
したがって、オウムの水中クンバカの驚異的な数字というものは、修行者達が行う厳しい修行と、ごまかしがミックスされたものだということが出来る。