恋愛小説家 -40ページ目

なすすべ

ボールを投げるよ、届くかな。

 

恋愛小説家
 

何色だかわからない「青」を見上げていたら

いきなり冷水をかけられたようにハッとしました。

いいえ、正しくはとっくに気づいていたことに

「何度目かの確信」をしただけで。


あなたがとても、好きなのです。

笑っちゃうぐらい、好きなのです。

泣いちゃうぐらい、好きなのです。

なすすべもなく、好きなのです。


それなのに

この気持ちを理屈で説明するのは難しくて

辞書の言葉をまるまる使ったとしても

きっと半分も伝え切れないのです。


だから私の眼をみて、手に触れて直接感じてください。

視線が、指が、あなたを好きと伝えますから。

 

ね。

示し合わせたわけでもないのに

同じような格好して、どうしたの?

ペアルックみたいじゃん。


「真似すんなよぉ~」


台詞まで被るんだよね。

笑うしかないよね。


はぁ~。


なにも悲しいときだけじゃなくて

嬉しいときにも、楽しいときにも、

しあわせなため息がでるんだ。


広場があれば無条件で走り出してしまう子どもみたいに

はしゃいだ気持ちをつなぎとめるように

指をからめて、並んで歩いていこっか。


「ね。」


ほらまた同じ。

ほんと、鏡みたいだね。

 
恋愛小説家

九段下

恋愛小説家

 

北の丸公園を散歩していたら

たしかに感じた、あるはずのない気配

見えないけれど近くにいるの?

 

今年初めての蝉の声を

少年とふたり、聞いた夏

 

それじゃ、またね。

相手への愛が、そのまま自分への愛になる

そんな関係がいいよね。


私はね

そのままのあなたが、とても好きだし

あなたといると、私らしくいられるの。

そんな私をあなたが気に入ってくれるから

自分のことまで、もっと好きになれる。


だからね

私といると「自分らしくいられる」って言葉は

最高のプレゼントだと思います。

お互い様で、うれしい。


それじゃ、またね。



 

堪えきれない

重力にまけるな、まつ毛の端でぷるぷる堪えるしずく。

泣かないよ、ぜったい泣かないよ。

大丈夫、だいじょうぶ、

危なくなったら空を見上げればいい。

がまん、がまん。

 

ぼくの前ならがまんする必要ないって

言われたら弱いけど、もうへいき。

なんて・・・思ってたのに少し泣いた。

理由はごめん、自分でもよく解らないけど

消化できずにこじれた感情が喉の奥を塞いでいて

吐き出さないと苦しくて「しんじゃいそう」だった。

 

あなたをわざと困らせようとする

ぐちゃぐちゃした甘えと投げやりな八つ当たり。

 

ぷっつりスイッチが切れたみたいに

腐る自分がとても嫌で、黙ってばかりだった。

それなのに、かわいげない私をちっとも責めずに

大らかに見つめるあなたの瞳といったら。

堪えきれない。

 

かみさま、ひとはどこまで優しくなれるものなのですか?


愛しのコーヒー論

「願掛けのようなもの」で、コーヒーを飲まないと決めてから

およそ2週間が経ちました。


ただそれは、何がなんでも飲まない!という頑なな決意や

健康のための禁止などとは違っているため

全く飲んでいないのかというとそうではなく

染み入るようなコーヒーを、2~3杯は飲んだと思います。


それでも私を知っている人に言わせればそれは大きな変化らしく

「どうしたの?」と訊かれることもしばしば。

確かに。もともとは1日何杯も、ブラックで飲み続け

ほとんどコーヒー中毒みたいな生活をしていたのですから。


愛しのコーヒーへの想いは、何ら変わりありません。


我慢しようと思えば我慢できるし、飲みたければ飲める。

気が向いたら、いつでも「がぶ飲み」できるし、してもいいのです。

コントロールしているのは、あくまでも自分ということが重要であって

単にしばらく<飲まずにいるだけ>なのです。


真夏さながらの暑さも手伝って、熱い飲み物を欲するよりも

コントレックスをラッパ飲みする方が(男らしく!)

多くなってきたのは確かで、コーヒーの消費量が落ちていますが

水出しに切り替えればあっけなく復活する気もしてます(笑)

そんな曖昧な定義で、ラクにやっていきます。


でもでも。


今朝はとっておきのコーヒーを淹れたいと思います。

新しく手に入れたCDを聴きながら、空でも見上げつつ

カンパーイ☆って陽気に、濃い一杯を、ブラックで。




passionflower

正門をくぐると、左に給食室の裏口があって

人が入れそうなほど大きい水色のポリバケツが並んでいる。

右側には、太っちょのどんぐりを降らす大きなマテバシイが3本。

少しすすんだ正面に鶏小屋と、花壇、その左奥に校庭があった。


給食室の脇に細道があったのを、皆知っていたけど

子どもたちは、そちらにはあまり近づかない。

細道を入ると、少し離れて職員と来客用の門があって、

用務員さんが手入れをしている小さな池と、庭があった。

職員室から丸見えなので、大人に出くわすとバツが悪い。

ただ、なんとなく足を踏み入れてはいけないような気がしていた。


庭では、トケイソウが蔓を巻いていた。

私はその花が見たくて仕方なかった。


「トケイソウっていう、ぐろてすくな、気持ち悪い花がさいてた!」

二学年上の姉が、興奮気味に教えてくれたこと。

そんな怪しい花があるの?それも学校に・・・

とっておきの話を聞いたら、じっとしていられない。


次の日、私は給食室の脇の細道を行ってみることにした。

そこに入るのは初めてで、たった数十メートルが不安だった。

何かしら意を決したように、一人ですすむ道。

先生に出くわしたら、堂々としていたらいいよね。

何も悪いこと、していないもの。


そして見た。

トケイソウは、確かにちょっと「ぎょっとする」花だった。

それでいて、圧倒的な存在感に見とれてしまい

<見ているのは私ではなく、案外花の方なのかしら?>

晴れ空の下、妙な胸騒ぎにぶるっと震え、走って帰った。


やせ我慢の冒険は少し心細かったから、

見慣れた家路にほっとして鼻の奥がつんとした。

「だけど、私も見ちゃったもん。」

駆け足は、いつしかスキップに変わり、

おさげが揺れて肩をたたく。ランドセルがゴトゴトいう。


夏休みはもうすぐだった。


恋愛小説家


草花写真館さんより。


先に謝っておくわ

仲良しのあなたと、いつか喧嘩してみたい。

どんなことで喧嘩するんだろう?

変かもしれないけど、楽しみ。


やたら似ている私たちは

喧嘩するなら、たぶんすごく些細なこと。

植木に水をやり忘れたとか

エアコンの設定温度とか

冷蔵庫を早く閉めないとか

どっちが虫をやっつけるかとかね。


あとは、笑っちゃうだろうな

車を壁に擦っても

飛行機に乗り遅れても

山盛りのカゴで財布を忘れても

牛乳パックを倒しても(PCにかかったら死んじゃうけど)。


「ファイト、一発!」のCMって

なぜ昔からワンパターンなんだろう?

一方が危ないとき、もう一方が助けるみたいな

分かりやすくて私たちみたい。


あぁ、楽しみ。


もしも喧嘩がかなったら

不機嫌な顔をしながら

吹き出しちゃうかもしれない

ごめんね、先に謝っておくわ。

随想 100701

2010年も折り返し。

とうとう7月に入ってしまいました。


同じ方向を見続けることを愛だと説いた、サン・デグジュペリ。

彼からの通信は、いつかの7月31日に途絶えたままです。

飛び立ったまま戻らなかったのですね。


それでも、いつかはきっと戻ってくるはずと

数多くの人たちが、彼の帰還を待ち続けていたはず。

たとえそれが常識で考えれば絶望的なことだとしても

いつまでも、いつまでも

心に灯をかかげ、待っていたことでしょう。


時間の概念とは人それぞれ違うものですが

1日24時間の繰り返しというよりは

長くて途切れない、一連のものだと思っています。


重大なものごとや、忘れ難い事件など

すべてを「時効」で片付けてしまうのはナンセンスなことで

待っているひと、待つこころに、

「時効」など、つけられるはずないと考えたり。


ただ・・・そうは言っても少しは分かるのです。

ひとまず「ここまで」という区切りをつけておくことで

気持ちに、一定の線を引くことはできるから

たとえそれが半ば強引であっても、

合理的に物事が打ち切られてしまうのが

100%の間違いではないと。


濃密な日々と淡々とした日々。

同じ長さの時間でも、どう過ごしていたかによって

違った実り、違った結果が得られるもので。

いつの間にか7月になってしまった気がしますが

物事は、何もかもちゃんとつながっているということ

少々怠慢な本日、憶えておこうと思います。


マフラーなしでは寒くて仕方なかった冬がありました。

梅や桜を愛で、新緑がまぶしい春がありました。

そしていつしか、旅のワクワクに満ちた夏へ。

眠りに落ちる瞬間に思い出す、びっくり顔のきみ。


さあ、7月がはじまったよ。

じゆうがおか

自分で言うのもなんだけど

あんまりツイてない毎日で


仲間がいるのに寂しくて

食べものにまみれて飢えていて

眠る場所でも休めなくて

つまるところ、孤独だと思っていた


きみが現れたことで

変わったことがあるとしたら


仲間といるのは愉快なことで

食べものはやたら美味しくて

どんな眠りも安らかだ

そして何より「きみ」がいる


タワーの上半分は雲の中

もうひまわりが咲いてるよ

池の亀も甲羅干しをしてた

誰かが魚を焼いている

また蚊に刺された

夕べの月は見たかい


何かにつけて

きみを思い出してしまうぼく

そんな自分を

前より少し好きになった

 
恋愛小説家