異世電 001 三十路、異世界漁り | aitocolab ブログ 異世界で魔人と戦ったら電力が溜まりすぎた件

神凪雷真、30歳。  

 

定職には就いておらず、

アルバイトを転々とする

フリーターである。

 

特別な技能も資格もなく

これといった成功体験もない。

本人もそのことを自覚しており

自信を持てる要素は多くない。

 

そんな彼が、唯一と

言っていいほど心の拠り所に

している習慣がある。

深夜24時を過ぎてから、

異世界系の作品を漁る事だ。

 

アニメ、ネット小説、漫画

日々の現実では感じられない

達成感や高揚感を、

彼はそこに求めている。

 

しかし、その小さな楽しみさえ、

逃避と自己権をの狭間で

揺れ動いている。

「こんな生活でいいのか」と

思いながらも変えられない、

停滞した日常。

 

だが、この平凡で冴えない

30歳の男にまさか

自身が憧れ続けた”異世界”へと

踏み出す瞬間が

迫っていることなど

この時点では、

誰も知る由もなかった。