バイトのシフトが終わる。
その瞬間の虚無感は、
神凪雷真にとって
もう10年近く続く
日課のようなものだった。
低収入、将来性なし、
何も変わらない毎日
ーこの生活が”これからも続く”
と想像するだけで、
胸の奥に重たい絶望だけが
積もっていく。
これからも同じ人生が
続くと思うと絶望しそうだ。
深夜、部屋に戻った彼は
いつもに癖で異世界ものを
漁りながら、何度目かもわからない
願望を心の中でつぶやいた。
異世界に行きたい。
けれど、そんな祈りに
応える神様など
いるはずもない。
明日も明後日も、
同じアルバイトと
同じ人生が続くー雷真は、本気で
そう信じていた。