私が面会に行くとキョトンとしていることがあったので

「来ましたよー。誰かわかる?」と聞くと

「わかる。眞白が幸せを持ってきてくれる」と

返事をしてくれました。

 

私に会うことは

幸せなんだ

 

そう思ったら

良かった…とほっとした。

 

食事をせずに点滴だけになると

途端に弱っていきます。

 

父「頑張れよー頑張れよー」

私「誰に言いよるん?頑張れよーって」

父「こもりよしはる…」

私「こもりよしはる?」

父「そうです、そうです」と大きくうなずいていました。

 

自分を鼓舞してる。

 

そっと手を握ると

ごつごつした大きな父の手。

 

私「いいよ。もう頑張らんでも。

充分頑張ったやろ」

そういうと

コクンとうなずきました。

 

声は乾燥のためガサガサにしゃがれた声になり

言葉を聞き取るのが精いっぱい。

 

痰が絡んでせき込むことも多くなりました。

職員の方に吸引をお願いすると

苦しそうに悶えます。

見ているのがつらくなるくらい。

職員の方から

「手を持っていてください」と

吸引の管を避けようとしてバタつかせるのを

押さえつけてました。

とても嫌な瞬間です。

こんな苦しいことをしなければいけないのか…

 

ある日

寝たまま詩吟を歌いだしました。

30年近く詩吟を習い

毎日夕方になると大きな声で練習をしていたので

詩吟はしっかり頭に入っていたのでしょう。

「生きがい」と言ってましたから。

 

そうやって自分で自分を励ましていました。

 

 

 

 

 

 

 

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