写真を撮る事が趣味だった父。
昔ながらの重たいフィルムカメラを
外出するときには
いつも持って出かけていた。
だから
家の中には
膨大な写真の量。
ずっと手付かずにいた。
面倒とか
そういうのではなく…
触れられないでいた。
父がレンズ越しに観た世界を
受け入れられなかった。
物置にまであった写真をふと手に取ってみた。
中をパラパラめくってみた。
なんだか懐かしい風景がある。
ようやく手をつける事ができたようだ。
そこからは大作業。
いつも撮影している側だから
父の姿はほとんどない。
庭で育てている草花や
外出した先の何気ない風景。
通信学校の同窓会は
よく世話役をやっていて
あちこちで仲間に会いに行っていたなぁ。
その時の宴会風景。
自治会役員をやっていたから
運動会などのイベント。
孫やひ孫の写真が一番多かったかな。
そして
80近くなって始めた詩吟。
お仲間はほとんどが女性で
日帰り旅行や発表会、宴会風景。
「今が一番楽しい。詩吟は生きがい」と
言っていたなぁ。
なんて思っていたら
急に詩吟の先生が今はどうしていらっしゃるのか…
気になった。
父がなくなって
何度か電話で話したものの
それから3年近く経つ。
電話してみた。
張りのある元気そうな声。
実は体調を崩していたらしいが
お稽古は続けているそうだ。
私の知らない父の思い出話を聞く。
いまだに
父の名前が出てくるそうだ。
「皆さんと写っている写真を持って
お稽古にお邪魔しますね」と
約束した。
再び繋がった…。
写真は思い出。
思い出と共に生きていた証が
確認できた。
しかし
母の写真もほとんどなかったなぁ。
そんなもんなのかな。
ひいき目かもしれないけど
イケメンだ。
きっとこんな男性が目の前に現れたら
好きになってるわ。
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